ヤマザキマザック、160億円を投じ新研究開発拠点を開設へ ~「Mazak Innovation Hub」で研究・設計・試作を集約、開発スピードを加速~

 

 ヤマザキマザックは、本社のある愛知県大口町に新たな研究開発拠点「Mazak Innovation Hub」を開設する。投資総額は160億円で、2027年8月の開所を予定している。

 新拠点には、現在、本社敷地内に分散している研究、設計、試作・評価などの機能を集約する。部門の枠を越えた連携を強化し、次世代技術の研究と革新的な製品開発を効率的に進めることで、開発リードタイムの短縮を図るのが狙い。

 自動車のEV・電動化や航空宇宙産業の拡大、AI・ロボット技術の進展など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。同社はこうした市場の変化に迅速に対応するため、機械本体だけでなく、自動化システムやソフトウェアを含めた製品・サービスの開発力を強化し、競争力の高い製品を世界市場へ早期に投入する考えだ。

世界11カ所の生産拠点を支えるグローバル研究開発拠点 ~「人」と「機械」の距離を縮める~

事務所イメージ


 

 ヤマザキマザックは、世界11カ所に生産拠点を展開している。「Mazak Innovation Hub」は、国内向けの研究開発にとどまらず、海外拠点で生産する工作機械の開発・試作も担うグローバル研究開発拠点となる。

 施設の敷地面積は1万4,488㎡、延床面積は1万8,200㎡。地上4階建ての鉄骨造で、研究、設計、試作・評価などの各機能は、合計で現状の約1.5倍に拡大する。

 新拠点への機能移管後は、本社・大口製作所内の各部門のレイアウトを再編する。既存の試作・評価エリアの一部を生産スペースへ転用し、増産や生産性向上にもつなげる。

 新拠点では、工作機械の試作・評価エリアにオフィスを隣接して配置する。室内から実機を一望できる大窓を設け、開発中の機械を身近に感じながら業務に取り組める環境を整える。

 開発に携わる各部門の技術者が実機を前に意見を交わし、そこで生まれたアイデアをすぐに形にして検証できる体制を構築。設計から試作、評価、量産までの連携を強化し、市場ニーズへの素早い対応を目指す。

 オフィスには、部門間の壁やパーティションを設けない開放的なレイアウトを採用。ソファ席やハイカウンター、複数のオープンミーティングエリアを配置し、部門や職種、世代を越えた自然な交流と情報共有を促すことで、社員の創造性やエンゲージメントを高めるとともに、将来のものづくりを担う人材の確保・育成にもつなげていく。

実機を活用した「フィジカルAI」の共同研究も

 社外の研究機関やサプライヤー、スタートアップなどとの共同開発を進めるため、専用のコラボレーションエリアも設置する。実機を活用した共同検証を可能とし、フィジカルAIをはじめとする研究開発やオープンイノベーションを推進する。

 コラボレーションエリアでは、会議室と機械設置エリアを隣接させる一方、会議室ごとのセキュリティ確保や機械周辺へのパーティション設置など、機密性にも配慮する。オープンな協創環境と情報管理を両立させ、社外パートナーとの密度の高い技術交流を実現する。

 人と人、人と機械、そして社内外の技術をつなぐ新たな「Hub」。ヤマザキマザックは「Mazak Innovation Hub」を起点に、世界のものづくりを支える技術と製品の創出を加速させる。
 

MOLDINO