『鋼一般ミーリング加工用材種 GX2140』、『ステンレス鋼系材料ミーリング加工用材種JM4060』、『高硬度材ミーリング加工用材種 JP4005』の3種類を発売! 日立ツール

日立ツール(社長=田中啓一氏)は、このほど『鋼一般ミーリング加工用材種 GX2140』『ステンレス鋼系材料ミーリング加工用材種JM4060』『高硬度材ミーリング加工用材種 JP4005』の3種類を発売した。それぞれの特長は以下の通り。

■鋼一般ミーリング加工用材種 GX2140
自動車産業をはじめとして広く使用される金型は、目的に応じた様々な硬度の鋼材が用いられおり、プラスチック金型材に代表されるSC材・SCM材や硬度35HRC未満の工具鋼が多く使用されている。このような鋼種のミーリング加工はコスト削減や納期短縮を目的に高速加工や高送り加工による高能率加工が実施されている一方、高能率加工は工具にとって過酷な条件であるため、コーティング膜の酸化や逃げ面摩耗が進行することで、工具寿命が大きく低下する問題が発生することを受け、同社が開発した「GX2140」は、このような高能率加工に対して、CVD法を用いた耐摩耗性に優れる新開発の微細化柱状組織硬質皮膜と、膜密着性に優れる厚膜のαアルミナにより、インサート工具の耐摩耗性と耐熱性を改善している。また、熱衝撃によるヒートクラックの進行を低減した靱性の高い超硬母材を採用することにより、安定した工具寿命が得られ、高能率加工における工具寿命の改善を行なうことができる。

■ステンレス鋼系材料ミーリング加工用材種JM4060
ステンレス鋼をはじめとした耐食性に優れる合金鋼は、高温下で使用される機械部品や真空部品をはじめとして広く使用されている。このような鋼種は、(1)切削加工において被削材が工具刃先部へ溶着しコーティング膜の剥離すること、(2)被削材の熱伝導率が低いことにより加工中の工具の刃先温度が上昇すること、(3)被削材の加工硬化により工具刃先の摩耗が促進されること等の問題があり、一般的な炭素鋼と比べ加工が困難な難削材だ。一方、これらの難削材のミーリング加工においてもコスト削減や納期短縮を目的に高速加工や高送り加工による高能率加工が実施されている。JM4060は、PVDコーティング法を採用し、超硬母材とコーティング皮膜間の密着性を改善した新技術を採用している。このため被削材の溶着によるコーティング膜の剥離を抑制し、工具寿命を従来比2倍に改善した。また、主として被削材の加工硬化により発生する刃先境界部の損傷を低減した靱性の高いM40種の超硬母材を採用することにより、安定した工具寿命が得られ、高能率加工における工具寿命の改善を行なうことができる。

■高硬度材ミーリング加工用材種 JP4005
加工技術の発達や被削材の被削性改善により、50HRC以上の高硬度材直掘りミーリング加工や高硬度材の高能率ミーリング加工が増加傾向にあるが、高硬度材の加工においては工具にとって過酷な条件であるため、コーティング膜の酸化や逃げ面摩耗の進行、工具のチッピングが発生し、工具寿命が大きく低下する問題が発生する。このような加工において優れた性能を発揮する「高硬度材加工用材種 JP4005」は、PVDコーティング法を用いた高硬度材加工向け新コーティング膜を開発し、コーティング膜の高硬度化および耐酸化性を改善している。また、高硬度材加工において耐摩耗性と耐チッピング性に優れた超微粒子超硬合金を採用。JP4005は、焼き入れ鋼(50~60HRC):SKD11、SKD61、SKH、SUS420 系等のミーリング加工において、従来比2倍の工具寿命を得ることができる。

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