I2Cバスを搭載した新しい赤外線センサー 「Pico384E™」、「Pico384P™」
コンシューマーエレクトロニクスにおいて広く用いられている設計技法を採用することにより、同社ではサーマルカメラ市場の新規参入業者にも利用しやすい赤外線技術を提供する。独自の市場調査によると、非冷却型赤外線センサー(マイクロボロメーター)の需要は、2011年の30万ユニット(うち、軍事向け市場が37%)から、2020年には380万ユニットに伸びると見込まれている。
この製品は、業界標準の設計技法を採用することにより、赤外線センサーの複雑性を軽減するとともに、高性能赤外線技術をより利用しやすく手頃なものにしている。
「Pico384E™」は、17ミクロンピクセルピッチの非冷却型赤外線センサーで、高い温度感度を必要とするハイエンドの軍事・産業用途に使用される小型赤外線カメラに適している。高感度のため、より小さい目標をより遠い距離から感知することができる。長距離監視、熱感応照準具(TWS)、路上車両状況認識、ハンドヘルドゴーグル、およびUAV(無人航空機)の赤外線機能などに適用される。
I2Cバスのスピードにより、「Pico384E」はI2Cの仕様書に定義されているとおり最高400 kHzまでの周波数で動作する。画質を評価するうえで重要なパラメーターであるNETD(雑音等価温度差)は40mKの範囲内であり、熱時定数も10ms以下。このため、この赤外線センサーは400 mK/msの範囲内の標準感度を呈する。
また、コスト効果が高いProシリーズの「Pico384P™」は、同じく17ミクロンピクセルピッチの非冷却型赤外線センサー。手頃な価格で高い温度感度を必要とする大量生産型アプリケーションに適しており、ドライバーの視覚の拡張(支援)、大量生産サーモグラフィカメラなどに適用される。
携帯用赤外線システムにとってバッテリー寿命は非常に重要な要素であり、低電力消費はウリス製品の特長。同社の技術陣は、384x288/25ミクロンのマイクロボロメーターの電力消費量が110mWだったのに対し、「Pico384E」および「Pico384P」(アナログ出力、フレームレート50Hz)では60mW未満に半減することに成功した。