「グローバル化に対応するため新たなアライアンスの構築が必要」 フルパ 第13回通常総会を開く

新会長に就任した脇 憲一氏
新会長に就任した脇 憲一氏
日本フルードパワー工業会が東京プリンスホテルで第13回通常総会を開催し、新会長に脇 憲一 東京計器社長が就任した。副会長は園田 誠 川崎重工業常務、梶本一典CKD社長、
十万幹雄 神威産業社長は留任、北畑多門 SMC取締役(新任)。

総会後の懇親会で脇 会長は、「経済のグローバル化が進展し、新興諸国との競争も激化するこの時期に会長という大役を仰せつかりました。鋭意専心、業界の発展のために会員の
皆さま方と一致協力しながら全力を尽くしてまいる所存でございます。昨今の国内の経済情勢は電力の不足、電気料金の値上げ、原油価格の高騰、79円台に突入した円高の再燃などの懸念材料があるものの、東日本大震災により寸断されたサプライチェーンの復旧・復興に加え、1次から4次にわたる補正予算、とりわけ12超円を超える第3次補正予算、さらには平成24年度予算の円滑な執行も期待されることなどから内需には明るい兆しが見えます。しかし、海外の経済情勢は、米国が内外需と金融緩和策に支えられ緩やかな回復が続いているものの、欧州はスペイン、イタリア等の南米諸国経済の低迷、ギリシャ政局の混迷、フランス大統領の経済政策などで信用不安が深まり、世界経済を牽引してきた中国、インドなどの新興諸国も高い成長率に翳りが刺すなど、多くの下振れリスクを抱えていますので、今後の推移や同行を慎重に見守っていく必要があります。このような状況を反映し、私どもフルードパワー業界の平成24年度の出荷は、前年比微増と予想しております。

フルードパワー産業が、今後とも発展し成長していくためには、健全な競争とともに協調体制の確立も強く求められております。また、急速に進展するグローバル化に対応するためには、事業の国際的な展開は避けて通れず、事業の選択と集中に加え、新たなアライアンスを構築する必要もあります。フルードパワー機器は、わが国の機械産業のものづくりを支える重要な機能商品であり、基盤技術の伝承や新技術の開発等により、産業機械業界の発展に大きく寄与していかなければなりません。CO2削減が産業界の大きな課題となる中で、フルードパワー産業に携わるものとして、省エネ技術の開発、水圧技術の開発等を推進する必要がありますが、会員の皆様方、関係各位の一層のご支援が不可欠となります」と述べた。

川上景一経産省大臣官房審議官
川上景一経産省大臣官房審議官
来賓を代表して川上景一経済産業省大臣官房審議官(製造産業局担当)が、「4月1日に一般社団法人として初めての総会が滞りなく終了されたことをお祝い申し上げます。これも貴工業会の皆さまが日頃の活動を積み重ねておられる成果だと思います。新たに会長に就任されました脇新会長におかれましては、建設機械や工作機械などの機械製品の品質や性能を左右する基礎的かつ重要な油空圧機器の工業会である日本フルードパワー工業会の一層の活躍にリーダーシップを発揮していただきますようお願いを申しあげる次第です。
現在、企業の皆さまと私どもが連携をして協力をして攻めの姿勢で産業空洞化の危機を乗り切り、変化する環境に適切に対応しなければならないと考えております」とあいさつをした。
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