「JIMTOF2010」来場者が注目していた製品はコレだ!(切削工具/周辺機器編)

10月28日~11月2日まで開催された「JIMTOF2010」。
高精度化はもちろん高効率加工、省エネにエコ、そしてコスト削減――。
最新の加工トレンドがふんだんに盛り込まれた各社の製品が会場内にズラリと勢ぞろい。
前編に「切削工具/周辺機器編」を、後編に「工作機械編」の2部構成で記載する。

「GPドリル」で1穴0.25秒20,000穴以上! イワタツール

世界最速1穴0.25秒20,000穴以上の加工可能な「GPドリル」。このドリルの特長は、何と言っても加工スピードの速さ。そして驚異的な寿命。
一般的には、加工スピードを上げるとドリルの寿命は短くなりがちだが、同社はこの常識を覆し、1穴0.25秒で20,000穴加工を実現している。






“バックラッシゼロ”を実現した「TGR-250」 宇都宮製作所

これまでの工具研削盤にはさまざまな課題が残されていた。なかでも旋回軸であるA軸・C軸の駆動にはギアが使われていたため、バックラッシによる研削精度の低下を回避することが不可能だった。「TGR-250」は、A軸・C軸の駆動にダイレクトドライブ・モーターを新採用し、脅威のバックラッシ“ゼロ”を実現。工具研削盤のポテンシャルを飛躍的に向上させている。






振れ精度と締結強度を確保!「Phoenix」シリーズ オーエスジー

今回「Phoenix」シリーズに高能率粗加工が可能な「PXBE」、中仕上げ・仕上げ加工が可能な「PXBM」が新登場。超硬ソリッドエンドミルのノウハウを活かしたヘッド交換式エンドミルが注目を浴びていた。その他、OSG独自の技術により、ダイヤモンドコーティングが超微結晶化を実現したと同時に脱膜を可能にしたことも注目すべき点だ。これにより世界で初めてダイヤモンドコーティングでも脱膜・再コーティングが可能となった。






ステンレス加工専用ドリル「RT100VA」 グーリングジャパン

ステンレス加工専用ドリル「RT100VA」は、ステンレス加工に最適な超硬素材の開発と摩耗を最小限に抑えるTiALNnanoAコーティングが特長。そして最適化された溝形状は加工中に発生する熱を効率よく切りくずに伝えて素早く熱を逃がす効果がある。また、切削液が内部クーラントダクトを通じ供給されることにより、熱放出を促進するため、加工硬化のリスクを低減する。高剛性設計で安定した穴加工を実現する。












高研削力ブラシ「カッティングファイバー」 ジーベックテクノロジー

バリ取りを自動化するブラシ「カッティングファイバー」が従来品と比べ研削力を3倍にして新登場。研材であるアルミナ長繊維径を大きくすることで、今までより高い研削力を実現している。鋳鉄のフライス後のバリ、ホブ加工後のバリ、プレス加工後のバリ取りに適しており、今まで取れなかったバリの除去が可能になった。しかもバリ取り加工時間は従来品と比べ半分に短縮、カッターマーク除去時間も従来品と比べて1/4に短縮できる。






あらゆる領域をカバー!「AC810P/AC820P」 住友電気工業株式会社/住友電工ハードメタル地株式会社

鋼製部品の機械加工に用いられる旋削用刃先交換式インサートの加工能率と加工コストの改善を図った工具「AC810/AC820」。「AC810」は、耐摩耗性、耐剥離性に優れるFF-TiCNに加え、新開発の粒成長制御技術によって強化された厚膜アルミナを採用、高速・高送り加工における耐摩耗性で超寿命を実現している。一方、「AC820」も「AC810」と同様FF-TiCNに加え、新開発の表面平滑化技術によって緻密化されたFF-Al₂O₃を採用、さらに刃先の圧膜制御技術により、抜群の汎用性と安定性で超寿命を実現している。






多刃仕様で高速・高能率加工「QMミル」 ダイジェット工業

ヘッド交換式工具「QMミル」は、低抵抗・多刃仕様で高速・高能率加工を実現する。特長は、独自の3次元形状を有した低抵抗形チップと多刃仕様で小径サイズでも高速・高能率加工を実現すること。BT30の小型マシニングセンタにも対応している。また、小型チップで刃先交換式ながら最小径φ10で2枚刃、φ32で8枚刃の多刃仕様である。
防振効果に優れたオール超硬シャンクアーバ「頑固一徹」との組み合わせにより、びびりなく、高能率加工とチップの長寿命化を実現している。












モジュラーシステム「HSK-T63旋削用ツーリング」 大昭和精機

旋削加工で画期的なモジュラーシステム「HSKーT63旋削用ツーリング」は、旋削加工において、刃先のチッピング等により高価なホルダを破損するという問題を“モジュラーシステム化”することで解消し、効率化および経済性を追求した製品。主軸を45°傾けることにより、切削によるトルクが機械主軸にかからない主軸に優しいシステムを採用している。
スプリング内蔵のため、チップの着脱が簡単に行える。クランプボルトを1回転ゆるめ、クランプ駒を指で軽く押さえると駒の先が浮きあがる仕組みである。






チッピングに強い「T9100」シリーズ タンガロイ

驚異的な耐チッピング性で究極の寿命安定性を獲得している、新鋼旋削加工用CVDコーティング材種「T9100シリーズ」。
この製品の特長は、新表面平滑化技術の採用で、インサート表面を滑らかにし、チッピングや凝着を抑制したことだろう。切りくずの流れもスムーズだ。
特殊技術により母材と膜との結合強化に成功し、膜の密着性を驚異的に改善している。






小径エンドミルの技術を用いた「無限ミニチュアドリル」 日進工具

この製品は無限コーティングの採用により、超寿命で安定した穴加工を実現している。精密部品加工に適した高精度仕様で、直径許容差は0~0.005㎜。
下穴加工用ドリル「無限ポイントドリル」も薄板の穴あけにも使用可能。シンニングの採用でより穴位置精度が向上、安定した穴あけ加工が実現する。
加工穴位置精度が向上し、曲がりを抑え、バラつきのない安定した加工に有効である。






円筒内面欠陥検査装置「TPIシリーズ」 日本電産トーソク

鋳物加工品の研削加工面巣穴・傷の検査を行う内筒内面欠陥検査装置「TPIシリーズ」は欠陥発生位置記録機能付きで鋳造生産性向上に役立つ。非接触なので、傷付の心配もない。
主な仕様はワーク穴径=直径6㎜~60㎜。穴深さ=150㎜以内、検出分解能=直径0.5㎜、検査時間=50㎜の検査で約8秒となっている。












旋盤用ねじ切り工具「ミルスレッド」 ノガ・ジャパン

新型CMT底刃チップ付き「バーチカルミルスレッド」が新登場。この製品の特長は、高い精度と優れた加工性を持ち合わせた研磨チップを豊富に揃えている点だ。安定した高精度のクランプ方式により、繰り返し精度が向上している。右ねじ、左ねじともに同じチップで加工できることも嬉しい。ツールホルダーには油穴およびウェルドン部があらかじめ付いている。






断続切削に強く低抵抗「アルファ高送りラジアスミル3コーナ」 日立ツール

「アルフファ高送りラジアスミル3コーナASRT形」に「圧膜PVDコーティングJS」が新登場。この製品は高能率加工により発生するクレータ摩耗を大幅に抑制した画期的なPVDコーティング膜が特長。PVD皮膜の厚膜化技術を適用することで耐摩耗性を大幅に改善し、超寿命化も達成している。30HRC以下の炭素鋼・一般構造用鋼・鋳物などの切削加工で優れた耐摩耗性を発揮する。断続加工環境下で求められる耐欠損性を兼ね備えるため、幅広く使用できることも魅力である。












びびり振動を抑制!「GSX MILL VL」 不二越

びびり振動を抑制する不等分割・不等リードエンドミル「GSX MILL VL」は、①不等分割・不等リードによりびびりを抑制して高品位加工を実現、②チタン合金などに最適なTi・SUS用と炭素鋼、合金鋼などに最適な鋼用を用途に分けてシリーズ化、③「GSXⅡコート」で耐熱性、耐摩耗性、耐凝着性を向上――という特長を持つ。圧倒的な耐熱性能を誇る「GSXⅡコート」は、高い耐酸化性と放熱特性により優れた耐熱性を実現し、新たな積層構造により高硬度である。膜の結晶構造が最適化することにより摩耗性、耐凝着性が向上する。






アルミニウム合金を高速・高能率切削!「AXDシリーズ」 三菱マテリアル/三菱マテリアルツールズ

アルミニウム合金のあらゆる加工形態に対応可能な「AXDシリーズ」に今回「AXD4000」が新登場。この「AXDシリーズ」の特長は、耐遠心力構造。高剛性ダブルスクリュークランプ機構の採用により、高速回転時の遠心力によるインサートのせり出しを防止、安定した加工を実現している。
また、ねじれ逃げ面の採用で、逃げ角の最適化を図ることにより、切れ刃強度を下げることなく、すくい角の大きい低抵抗刃形を実現した。凸切れ刃とすることにより、優れた切りくず排出性を示している。

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