「工具形状測定システム」を開発 牧野フライス

牧野フライス製作所がこのほど、微細精密加工に関わる機械オペレータから工具測定の作業を解放する「工具形状測定システム」を開発した。

同社では微細精密加工の現状を「微細加工の現場ではミクロンあるいはそれ以下の精度が当たり前に求められている。工作機械や切削工具、測定器などは“ミクロンあるいはそれ以下の精度”に対応してきた一方、多くの機械オペレータが試行錯誤を繰り返しながら非効率なものづくりをしている」と認識しており、①拡大鏡などにより工具の状態は確認できるが工具が主軸に装着された状態でどうなっているか確認するのが困難である、②主軸が所定の速度で回転しているときに、工具がどのような状態になっているかを確認する必要があるが有効な手段がないために、最終的には試し加工などを行い状態確認をしている――等の加工現場の現状を解決するため、工具測定作業の非効率な作業を全て自動化する「工具形状測定システム」を製品化した。
製品の特長は以下のとおり。


●刃先の観察
・回転状態で工具刃先に照明を当て、カラー撮影し、専用モニタで表示。
・工具の回転が停止している場合は、従来の顕微鏡と同様の観察ができる。
・加工時の回転速度で回転している場合は、コマ送りで表示することで刃先摩耗や欠損の有無を工具の全周に渡り、容易に目視出来る。

●加工機で自動測定
・主軸を回転させ、実加工の状態で測定:CCDカメラにより画像を取り組み、工具長、工具径、振れを求める。
・微細工具の工具長と径を高精度に測定:高い分解能と繰り返し精度で微細工具を高精度に測定する。

●測定結果の表示例
回転状態で測定するため、工具の輪郭像は絶えず変化するため、測定結果は最大の工具輪郭像を静止画で表示する。また、この静止画を表示した状態で、特定箇所をオペレータが指定することで、その間の寸法を算出することもできる。

●機械と一体化した自動化
・簡単なプログラム指令で、刃先の測定を行う(画像関わる照明、ピント、コントラスト等の調節は、すべて自動で行われる)。
・刃先測定した結果(工具長、径)は、機械制御装置の工具データ情報に、自動で転送される。
・作業者が規定した基準値および許容値と測定結果を比較し、工具折損等の判定を自動で行う。また許容値を超える場合、予め設定した予備工具と交換する。
・主軸を加工時の速度で回転させて、ウォームアップ(暖機)を行う。開始後は主軸の変化を常に測定し、安定状態に入ったと同時に加工を開始する。

■仕様■
測定装置
・CCDカメラ(LED搭載)
・測定できる工具径:φ0.010~φ32.0㎜
・測定範囲(2段切換え):0.70×0.52㎜ 0.40×0.30㎜
・測定分解能:0.1μm(指示表示0.01μm)
・防塵・防滴構造:切りくずやクーラントの侵入を防ぎ、高い信頼性を備える。外装カバー類を排することができ、コンパクト構造となっている。

5インチカラーモニタ
・専用モニタを主軸操作盤の画面真横に配置
・外部パソコンが不要

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