日立ツールが鋼一般ミーリング加工用材種「GX2140」を発売

日立ツール(社長=田中啓一氏)がこのほど鋼一般ミーリング加工用材種 「GX2140」を発売した。

自動車産業をはじめとして広く使用される金型は、目的に応じた様々な硬度の鋼材が用いられおり、プラスチック金型材に代表されるSC材・SCM材や硬度35HRC未満の工具鋼が多く使用されており、このような鋼種のミーリング加工は、コーティング膜の酸化や逃げ面摩耗が進行することで、工具寿命が決定付けられる。

同社が開発した「GX2140」は、このような逃げ面摩耗の進行で工具寿命に至る本金型材料加工分野だけでなく、類似の鋼材種が使用される部品加工分野において、CVD法を用いた耐摩耗性に優れる新開発の微細化柱状組織硬質皮膜と、膜密着性に優れる厚膜のαアルミナを適用することによって、インサート工具の耐摩耗性と耐熱性を改善する。また、熱衝撃によるヒートクラックの進行を低減した靱性の高い超硬母材を採用することにより、安定した工具寿命が得られる。

特長は以下のとおり。

(1)耐摩耗性に優れる微細化柱状組織硬質皮膜の採用 
コーティング膜の結晶粒径を微細化した柱状組織を有する微細化柱状組織硬質皮膜の採用により、皮膜硬度が向上し耐摩耗性が優れ、工具の損傷を低減させている。

(2)高温環境下で長寿命
耐熱性に優れるαアルミナ膜を厚膜化することにより、耐熱性を従来比の2倍に高めている(同社評価基準において)。そのためクレーター摩耗や逃げ面摩耗の発生を抑制することで高能率加工に対応できる。

(3)平滑αアルミナの採用
耐溶着性に優れるαアルミナ膜の膜表面を平滑にし、被削材の溶着を低減する。そのためコーティング膜の剥離が抑制され、膜剥離に伴う工具損傷を抑制している。

(4)高能率加工に対応、長寿命化
靱性が高く、熱衝撃による工具刃先のヒートクラック発生を抑えたM40相当の超硬母材を採用し、刃先のチッピングや欠損が抑制され、安定した工具寿命が得られる。

(5)寿命
鋼一般ミーリング加工の場合、従来品と比較して乾式切削にて1.5倍以上の寿命を実現しました(当社評価基準において)。

価格は966~1,943円(消費税込み)。

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