「第9回切削加工ドリームコンテスト」受賞作品が決定 森精機
森精機製作所(社長=森雅彦氏)が主催する“第9回切削加工ドリームコンテスト”の受賞作品が決定した。
切削加工ドリームコンテストは、日本国内において切削加工に携わり、切削型工作機械を使用している企業及び学校、研究機関を対象に、切削加工業界全体の技術・技能の交流と向上を目的として毎年1回開催している。
今年は、審査委員長の青山藤詞郎慶應義塾大学教授(理工学部長・理工学研究科委員長)を始め、審査委員に大学教授6名を迎え、厳正な審査の結果、全78点の応募作品の中から、製品部品加工部門6点、試作・テスト加工部品部門5点、金型・造形加工部門5点、微細加工部門4点、アカデミック部門6点の受賞作品を決定した。
表彰式は、11月1日にJIMTOF 2012のDMG / MORI SEIKIブース内(東3ホール ブース No. E3025)で行う。また「JIMTOF 2012」期間中は同ブースにて全応募作品の展示を行っており、熟練の技術と斬新なアイディアが生み出す作品の数々を披露する。
第9回切削加工ドリームコンテスト受賞作品
●製品部品加工部門
金賞:薬液噴射ノズル
・金賞 「薬液噴射ノズル」ツウテック(株)
・銀賞 「ねじ電極」(株)ワールド精密
・銅賞 「組織採取穿刺針(医療用サンプルワーク)」(株)スズキプレシオン
・銅賞 「Support Plug (inside outside)」(株)坂田精密
・技能賞 「スパイラルベベルギア」(株)二羽歯切
・技能賞 「プリズム受台」(有)城精工
審査委員による金賞作品の評価ポイント>
球面に71本の微小径ノズルを削りだしで作りあげ、さらに各ノズルに穴を開けており、チタン材料の薄肉、深穴加工を巧みに行っている点を評価した。
●試作・テスト加工部品部門
金賞:薄肉リング
・金賞 「薄肉リング」シナノケンシ(株)
・銀賞 「かくれねじ」堀口エンジニアリング(株)
・銅賞 「音符」太陽ゴム工材(株)
・アイディア賞 「アルミの砂時計」イモト精機(株)
・技能賞 「カーボンランプシェード」東洋炭素(株)詫間事業所
審査委員による金賞作品の評価ポイント>
肉厚0.05 mm、柱幅0.3 mmの超細の薄肉リングの加工を、工程を工夫することでつなぎ目無しで実現した技術を評価した。
●金型・造形加工部門
金賞:Bottle
・金賞 「Bottle」(株)シティプラスチック
・銀賞 「ハリケーン」野田プラスチック精工(株)
・銅賞 「落ち葉のしおり」(株)仙北谷
・銅賞 「反射板用金型部品」(株)吹野金型製作所
・芸術賞 「メリークリスマス」野田プラスチック精工(株)
審査委員による金賞作品の評価ポイント>
ペットボトルを題材にした点も興味深いが、アクリル樹脂材を巧みに加工した労作で、内径の加工を巧みに行っている点を評価した。また、厚さ0.1 mmのシームレスのラベル部にもうまく文字を彫り込んでいる点には驚かされた。
●微細加工部門
金賞:複合マイクロインペラー
・金賞 「複合マイクロインペラー」(株)後藤精機
・銀賞 「1/5000P-82ツインムスタング」サークルアンドスクエア(株)
・銅賞 「深溝微細彫刻」(株)ソルテック
・アイディア賞「Art manufacturing ~極(ごく)技(ぎ)~」大塚精工(株)
審査委員による金賞作品の評価ポイント>
市販の小径エンドミルを用いて、チタンという難削材からφ3.0 mm×H2.7 mmの微細な複合インペラー形状を加工しており、多くの工夫と真剣な取り組みが伺える点を評価した。
●アカデミック部門
バネ振動らせんリング
・金賞 「バネ振動らせんリング」岡山大学工学部 創造工学センター 工作センター部門
・銀賞 「Whirlingによる直径0.3 mmのマイクロスクリューの切削」東京電機大学 工学部機械工学科 機械加工学研究室(松村研究室)
・銅賞 「メビウスの五輪」兵庫県立神戸高等技術専門学院 機械加工技術コース
・銅賞 「軟素材の巧妙加工~ワイングラスとピーナツ形状~」大阪大学大学院 工学研究科機械工学専攻
・技能賞 「球からの」大阪府立西野田工科高等学校 機械系
・技能賞 「肉厚0.1 mmのハニカム構造体」岡山大学工学部 機械システム系学科機械加工学研究室(塚本・大橋研究室)