自動車用自動変速機向け「プラネタリ機構用高耐久ニードル軸受」の開発 NSK
2012年11月15日
日本精工(社長=大塚 紀男氏)は、主にオートマチックトランスミッション(以下AT)やハイブリッド車用変速機(以下HEV)、ベルトCVT(以下B-CVT)のプラネタリ(遊星)機構※向けに長寿命化を実現した「*プラネタリ機構用高耐久ニードル軸受」を開発した。
近年、グローバルな自動車燃費規制強化を背景に、先進国に加えて新興国においても同様の燃費改善が求められていることがある。これに伴い、自動変速機においても小型・軽量化や損失トルク低減など、高効率化のニーズが拡大しており、中国をはじめとする新興国においては、自動車需要が増加する中で、多段ATやHEV、B-CVTなどの自動変速機のニーズが急速に高まっている。これらに使用されるプラネタリ機構も需要が増加しており、現地生産のニーズも高まっているが、その一方、高機能製品を生産するための設備投入が負担となっていた。
そこで同社では既存の生産設備を活用して熱処理を最適化することにより、ころの耐久性と耐圧痕性を高め、新興国での生産が可能なプラネタリ機構用高耐久ニードル軸受を開発し、これにより一層の長寿命化による変速機の小型・軽量化に貢献する。既存設備を活用した生産が出来ることから、海外工場での現地生産による供給が可能である。同社では同製品の売上として2015年に12億円/年を目指すとしている。
*プラネタリ機構:自動車用自動変速機において、複数の歯車の自転や公転を組み合わせて、入力された力の効率を高めるための変速機構。