黒田精工が精密機械部品メーカーAIPを買収

黒田精工(社長=黒田浩史氏) がこのほど英国に本社を置き欧米を中心に”Jena Tec”ブランドの下で事業展開する精密機械部品メーカー Avingtrans Industrial Products Ltd(以下、AIP)を買収することを決定したと発表した。

AIP は、英国:ノッティンガムのJena Rotary Technology Limited (以下、JRT)、ドイツ:イエナのJenaer Gewindetechnik GmbH (以下、JGWT)、米国:ジョージア州およびミシガン州のJena Tec Inc(以下、JTI)を主要事業会社として保有するホールディングカンパニーとして、リニアモーション製品、ロータリーモーション製品等の設計・製造・販売およびアフターサービスの提供を手がけている。同社は英国株式上場会社であるAvingtrans plc(以下、AVG)の傘下に所属しており、 相互の戦略上の方針が一致したことから、AVG から同社へのAIP 譲渡が決定した。

当該3社の主要事業は以下のとおり。
JRT は、スピンドルやオートメーションシステムの設計・製造販売・サービスおよびボールねじや直動関連機器の仕入販売、JGWT(カールツァイスJena グループによって創業)は、ボールねじや精密ギヤの設計製造販売とサービス、JTI(フェラリスグループの販売会社として創業)は、ボールねじやスピンドル・他直動製品の仕入販売およびサービスをおこなっている。

同社がAIP 買収に踏みきった主な理由は、①事業展開する地域と製品の両面において、両社の間で市場の重複が少ないことから補完性が極めて高く、双方の既存顧客に対する互いの製品供給による商量拡大などのシナジーが期待できる、②AIP の工作機械主軸(スピンドル)事業と研削盤を始めとする当社の機工・計測システム事業が密接な関係を有する事から、販売や製品開発面におけるシナジーが期待できる、③AIP よりボールねじやスピンドル等の保守ビジネス(MRO)事業のノウハウ取得が可能となる、④英国・ドイツ・米国に事業拠点を獲得する事で、グローバル展開の加速が図れる、⑤製造拠点の分散により、BCP 対応と為替リスクへの対策となる―――。

なお、本買収に関わる株式売買代金は、アドバイザリー費用やデューデリジェンス費用そ
の他諸経費を含め、総額約13 億円の予定。

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