自動車向け「高信頼性クラッチプーリユニット」の開発で、クラッチ係合性能の改善によりエンジンの信頼性向上に貢献 NSK
2012年12月09日
日本精工 (社長=大塚紀男氏)は、このほどクラッチ機能を向上した「高信頼性クラッチプーリユニット」を開発した。
自動車エンジンの補機ベルトとプーリのスリップ音防止、補機ベルトの寿命延長、低温時のエンジンの始動性確保を目的として、自動車オルタネータ用プーリに一方向クラッチ機能を有したクラッチプーリユニットが採用されている。
エンジンの回転変動が大きいディーゼルエンジンを中心に高い需要がある一方、近年、エンジンのダウンサイジングによりガソリンエンジンの回転変動も増大し、部品の電動化に伴ってオルタネータも大型化しており、使用条件の過酷化に対応できる高い信頼性を持ったクラッチプーリが求められている。このような背景のもと、同社では、従来からの内部設計の最適化に加え、新開発のグリースを採用することでクラッチ機能を向上させたクラッチプーリユニットを開発し、これにより拡大している自動車向けクラッチプーリ市場で本製品の拡販を図り、本製品の売上として2016年にグローバルで24億円/年を目指すとしている。
この製品の特長は、極低温環境下におけるクラッチ係合で、低温におけるグリースのトラクションの性能の向上により、-40℃環境下でもクラッチ係合機能を維持することと、内部設計の最適化により、係合の際の発熱を最小化することで、クラッチ機能損失までの耐久性を、従来に比べ約3倍に向上させ、耐久性をアップさせたことである。