自動車向け「第4世代 高効率円すいころ軸受」を開発 NSK

日本精工(社長=大塚紀男氏)は、このほど自動車のデファレンシャルギアやトランスミッション向けに摩擦損失を約30%低減させた「高効率円すいころ軸受」を開発した。同社では本製品を2012 年から発売し、売上として2016 年に20 億円/年を目指すとしている。

円すいころ軸受は、自動車の高い支持剛性や高荷重への対応が求められる部位で幅広く採用されているが、燃費改善のため、円すいころ軸受の摩擦損失を低減することが課題となっていた。そこで同社では、従来からの円すいころ軸受の高効率化の設計ノウハウをベースに最新の解析技術を駆使して、効率を高めた第4世代 円すいころ軸受を開発したという背景がある。

主な特長は以下のとおり。
1.特殊クラウニングの採用
大きな荷重が掛かる内・外輪の軌道面を特殊クラウニングと呼ばれる樽状にすることで、エッジロードを低減し、フリクションを下げつつも従来品と同等以上の寿命や支持剛性を実現した。

2.内部設計の最適化
“ころ”の本数や“ころ”の長さ、接触角の変更などの内部設計仕様を最適化した。これにより、摩擦損失を30%低減し、また、耐久性も約1.5 倍向上させた。また、小型化も可能である。

この製品は自動車用マニュアルトランスミッションやオートマチックトランスミッションからデファレンシャルギア等、荷重が大きく、かつ高い支持剛性が必要な部位に幅広く使用できるうえ、従来品に比べて摩耗損失を30%も低減させ、燃費向上にも効果を発揮する。従来玉軸受けが使われていた箇所にも使用可能だ。

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