「ステンレス鋼旋削加工用インサートシリーズ」を発売 三菱マテ
2012年12月19日
三菱マテリアルツールズはこのほど三菱マテリアルが開発・製造するステンレス鋼旋削加工用インサートシリーズの販売を開始した。
家庭用品、建築用材料、自動車部品、化学工業部品など多様な産業に用いられているステンレス鋼は、一般に粘り強い、熱伝導率が低い、加工硬化性が高いといった特徴を有しており、そのため刃先の塑性変形による工具寿命低下が起こりやすい、溶着による異常損傷が生じやすい、切り込み境界摩耗による加工物のバリの発達が激しいなど、加工困難な被削材として良く知られている。同社はこの問題に対し、ステンレス鋼加工用新ブレーカLM/MM/RM/GMおよび新材種MC7015/MC7025(CVDコーテッド超硬材種)とMP7035(PVDコーテッド超硬材種)を発売し、新材種・新ブレーカの組み合わせにより軽切削~荒切削までの幅広い領域で安定したステンレス鋼旋削加工を実現した。
ステンレス鋼旋削加工用CVDコーテッド超硬材種「MC7015」「MC7025」の主な特長は、以下の通り。
① CVDコーテッド超硬材種「MC7015」の新開発超硬合金母材は、高硬度超硬合金母材表面に強靭層を設けることで、ハイグレード用途としてすぐれた耐塑性変形性と耐チッピング性を発揮。
② CVDコーテッド超硬材種「MC7025」の新開発超硬合金母材は、WCの粒度とCoの配合組成を一から見直すことにより、耐塑性変形性と耐チッピング性のバランスにすぐれ、汎用グレード用途で安定した切削性能を発揮。
③ 「MC7015/7025」の切れ刃稜線部は極めて平滑化されたコーティング表面を有し、ステンレス鋼加工における溶着チッピングを抑制。
④ 薄膜・超微粒Al2O3層と強靭・微細TiCN層により耐摩耗性と耐チッピング性を高いレベルで両立。