「潜在需要をいかに実需に結びつけるかが課題」 日工会が新年賀詞交歓会を開催

あいさつする横山会長
あいさつする横山会長
日本工作機械工業会(会長=横山元彦氏)が1月9日、東京・ホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

新年のあいさつに立った横山会長は、「昨年開催されたJIMTOFでは、工作機械トップセミナーが開催されましたが、全国82の大学、高専等から過去最高となる608人の学生諸君に参加いただき感動いたしました。人材確保や育成の面で大きな成果があったと思っています。昨年の工作機械を取り巻く環境は欧州の信用不安、中国経済の減速、超超円高等々厳しいものがありました。昨年の今日、“月1000億円は確保したい”と申し上げましたが、その水準は間違いなく維持できたのではないかと思っています。その結果1兆2千億円は確保するに至りましたが、この数字が意味することは、世界のお客様、ユーザーの皆様が日本の工作機械に大きな信頼を寄せている証だということです。工作機械の根幹は、品質、信頼、行き届いたサービス、そしてユーザーの皆様にソリューションサービスをいかにしていくかですが、これこそが、わが国の工作機械が世界に誇る強さの源であると自信をもって確信を深めています。しかしながら、世界経済の減速の余波を受けまして、年後半には受注は弱含みで推移をしています。今後の受注動向については余談を許さない状況ではありますが、エネルギー開発、インフラ投資、新興国ではますます自動車投資が増えるでしょうし、新型航空機や医療関連の成長産業の台頭など工作機械をとりまく環境は期待するものがあります。工作機械産業はグローバルからみても成長産業であると思っています。このような大きな潜在需要をいかに実需に結びつけるかがわれわれにとって取り組むべき課題であります。また、近年、製造業の設備年齢が近年上昇していることが問題として挙げられますが、わが国製造業の国際競争力を維持強化するためには、設備の若返りを図り、品質の確保と生産性の向上に努めることが喫緊の課題であります」と述べた。

菅原経済産業省製造産業局長
菅原経済産業省製造産業局長
来賓を代表して菅原郁郎経済産業省製造産業局長があいさつした。
この中で菅原局長は、「日本の製造業が生き残っていくためには、先端分野で日本の工作機械の良さをいかに伸ばしていくか、国内の立地にかかるコストを下げる努力をいかに行っていくかに加え、工作機械の国内需要をいかに伸ばしていくか、ということも課題になります。製造業が設備の更新投資をどれだけ加速することができるかは重要であり、ビンテージ調査を実施することになりました。ここ20年の日本の製造設備のビンテージはほぼ倍になり、以前は平均設備年齢が約7年だったのに今では約13年。アメリカ、ヨーロッパは若返りつつあるのに日本だけが古い設備を使い回しているという実態があります。本格的には法人税の減税や研究開発税制の抜本的強化も重要であり、設備資産に対する固定資産税がかかっているのは日本だけですので、これらの問題点を踏まえ、設備の性能向上に焦点を絞った対策をしていきたいと思っています」とあいさつをした。

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