「エモ・ハノーバー2011」国際製造技術トレンドに焦点
2011年9月19日から24日まで開催される国際金属加工見本市「エモ・ハノーバー2011」が開催される。世界各国の製造業界専門家がハノーバーに集結し、最新の製造技術を学び、製品購入計画をたて、業界トレンドについて討論する。
前回の「エモ・ハノーバー2007」は世界80カ国から166,500人が来場した。
見本市開催時の経済環境は良好との見通し
「国際経済の動向は世界最大の国際金属加工見本市である“エモ・ハノーバー”によって明らかになる。この展示会では投資決定の重要な情報を得ることができるうえ、世界の工業需要は出展社にとって成功のカギとなる」とドイツ工作機械工業会(VDW)専務理事であるDr.ヴィルフリート・シェーファーは東京で開催された記者会見で語った。この記者会見でDr.シェーファーは、「日本の輸出経済は近年の経済危機と円高による輸出低迷の影響を受けたが現在は回復傾向にあり、日本経済は新たな出発点に立っている」と指摘。「GDPも主要ユーザー産業による投資も低水準から上昇してきている。特に日本の自動車および自動車部品産業は2ケタの成長が期待されている。国際調査では、精密工学、光学、電気産業、金属製品および金属加工業界でも投資が増加すると予想されている。これらは2011年の日本の工作機械業界の成長を明確にしている。“エモ・ハノーバー2011”は日本の工作機械メーカー、特に国際ビジネスを行っている企業にとってビジネスの可能性を高めることができる見本市である」とした。
国際エモ会議「持続可能な製造」
2011年9月20日と21日に開かれる国際エモ会議「持続可能な製造」で世界の製造業者が関連製品を展示。会議はフラウンホーファー工作機械・成形技術協会(IWU)、ケムニッツ技術大学、「エモ・ハノーバー」主催者であるドイツ工作機械工業会(VDW)の共同開催で行われる。主な会議のテーマは、①工作機械・鍛圧機械と製造プロセスにおけるエネルギー効率と資源効率の促進のための技術ソリューション、②効率的なプラント設計とプロセスチェーン、③持続可能を目的とした製造計画と製造システムとなっている。
b2フェアーでは、「エモ・ハノーバー」主催者であるドイツ工作機械工業会とヨーロッパの起業ネットワークが連携し、ビジターの新規ビジネスコンタクト獲得をサポートする。データ―ベースを基に、ビジターと出展社の新たなネットワーキングや新規顧客、サプライヤー、取引相手獲得のサポートをする。
b2フェアーは、企業間マッチメーキングを行うサービス。マッチメーキングに感心のある出展社とビジターはデータベースwww.b2fair.comにプロフィールを入力することができる。ログインをし、ビジネスコンタクトを希望する企業を見本市開催2週間前からオンライン上で選択することができる。選択に基づき個別に打ち合わせの予定を調節する。商談の申し込みやリクエストは「エモ・ハノーバー」を通じてヨーロッパ14カ国にある30のパートナーネットワークに伝えられ、仲介をする。
「エモ・ハノーバー2011」開催期間中、工作機械の研修と教育をテーマにした有益なプログラムが毎日開催される。1,000㎡以上のスペースを利用して優秀な従業員になるためのアドバイスの提供や、研修生が最新の工作機械に触れることができ、積極的な質疑応答や参加が見込まれている。8,000人以上の学生がこのイベントに参加する予定だ。
また、航空産業に関する特別展や、急成長するロシア市場に焦点をあてたイベントや会議も開催する。
宇宙航空産業における最新技術―会議とスペシャルイベント
2011年9月22日と23日にはライプニッツ大学製造技術・工作機械研究所(IFW,ハノーバー)とゲッティンゲンに拠点をおく、機械イノベーションネットワーク(MIN)が「宇宙航空産業における新製造技術」会議を共同で開催する。航空機製造では新素材と素材の組合せの使用トレンドは増長している。1つの例として、ベータ型チタン合金素材の組合せの使用トレンドは増長している。1つの例として、ベータ型チタン合金と炭素繊維強化プラスチックの航空機導体構造への併用、車台製造のための開発、工作機械の低温抵抗材と化合物の組合せから、コスト差効率の高いチタニウム加工や5軸機械加工のための機械設計という新しい概念に向けて、足並みをそろえる必要がある。このような背景のもと、宇宙航空産業の部品製造と機械加工の最新ソリューションと未来のトレンドは会議で討論される。
機械加工イノベーションネットワークは、「チタニウム部品製造におけるコスト効率の重要性」という併催イベントを計画している。宇宙航空産業は他の産業のイノベーションモデルおよび触媒の役目を果たし、航空機プログラムに牽引されている。合成素材使用の増加、特に最先端チタニウムは機械加工を代表する新しい取り組みであるとして、このスペシャルイベントではチタニウム部品に焦点をあてるとしている。研究者、開発者、製造者、ユーザーが協力し、製造効率の促進を狙いとしている。イベントでは革新的な複合実験の結果を発表し、新しい工学技術が機械加工問題にアプローチする。大小チタニウム部品構成要素とプラスティック合成に焦点をあてる。