ダイカストの製造にかかわる最新技術のセミナーを開催
日本ダイカストマシン工業会が、平成23年2月4日(金)10:00~16:00まで、機械振興会館6階会議室D-1、2、3号室にて技術セミナーを開催する。
参加費は、主催団体および協賛団体は1万5000円、非会員2万円。なお、参加費にはテキスト代、昼食代が含まれる。
セミナー案内、申し込み用紙についてはHPからダウンロードできる。
http://www.jf-jd-ma.com/jdmma/index.htm
●プログラム●
(1)開会挨拶 日本ダイカストマシン工業会 10:00~10:10
会長 辻 眞氏(東芝機械)
(2)『環境に優しいダイカスト工場を目指して』 10:10~10:50
トヨタ自動車北海道 技術部第2技術課 主幹 高橋勝之氏
〈内容〉
近年、あらゆる部門において環境への対応がクローズアップされている。トヨタ北海道では「環境のリーディングカンパニー」を目指して、地球にも人にも優しい工場づくりに取り組んでいる。その中から、ダイカスト工場として実施した『省エネ・省資源化』の改善事例と、働く人に対する「作業環境」へのこだわりとその活動事例について紹介する。
(3)『NI法のシステム開発』
アーレスティ 技術部 主席研究員 工学博士 青山俊三氏 10:50~11:30
〈内容〉
現在アーレスティで生産されているNI法は、従来のダイカストにある鋳造欠陥をなくし、足回り部品などの新しい市場を開拓する目的で低圧鋳造とダイカストの融合を目指したシステムとして開発されたものである。このシステム開発で特に問題となった技術課題やその再に行った新しい考案や実験の内容について概説することで、NI法のシステムの紹介を行う。
(4)『マシン周辺装置に於けるロボットシステムの効果的利用法』 11:30~12:10
ロボテック 代表取締役 山喜義則氏
〈内容〉
ダイカスト現場が抱える様々な問題は、各工程を電動サーボ技術でリンクしてフィードバック情報を一元管理することで更に上を目指すことができる。大幅なコストダウンが要求される中、マシン各社電動サーボ制御化された今日、その周辺でインターフェース機能を担うのが、全電動サーボ駆動の多関節ロボットである。マシン周辺装置メーカーとして、どのようにロボットを効果的に利用しているかについて話す。
(5)昼食 12:10~13:00
(6)『ダイカストマシンの改善事例』 13:00~13:40
東芝機械成形機エンジニアリング ダイカスト本部技術部 開発設計担当 保田拓郎氏
〈内容〉
同社では、近年、ダイカスト工場のクリーン化を目指して、省エネ・省力化を含めた改善活動に取り組んでいる。具体的な事例として、すでに静電スプレイシステム、新たに供給装置を開発したプランジャペレット潤滑装置、型締部のオイル潤滑によるマシンおよび工場床面の汚れを改善できる新しい給油システムへの改造事例を紹介する。また、短期間でダイカストマシンのオーバーホールが可能な事例も併せて紹介する。
(7)『ダイカストマシンの鋳造性能』13:40~14:20
東洋機械金属 開発技術本部 ダイカスト設計部 部長 中村孝夫氏
〈内容〉
ダイカスト製品の高品質化が要求される中、ダイカストマシンの射出性能もそれに対応していくことがダイカストマシンメーカーの使命である。ここではダイカスト製品の内部品質に影響を及ぼすマシンの射出性能を紹介するとともに、ダイカストマシンの性能を維持するための管理方法についても紹介する。
(8)休憩 14:20~14:30
(9)『鋳造生産性向上へのCAEの活用について』 14:30~15:10
宇部興産機械 技術開発センター鋳造解析Gr グループリーダー 村上工成氏
〈内容〉
鋳造CAEは、金型設計や鋳造を実施する前に方案の問題点を把握し、より最適な金型・鋳造方案へ方向付けができる有効なツールである。ダイカスト業界でもさまざまな場面で活用され、立ち上げ期間短縮や歩留まり工場など生産性向上へ効果を大いに発揮している。この鋳造CAEを活用した生産性向上への取り組みなど、同社の解析事例を交えて紹介する。また、同社の最近の研究「鋳巣の定量評価」についても簡単に紹介する。
(10)『環境を配慮したダイカストマシンと周辺システム』 15:10~15:50
東芝機械 ダイカストマシン技術部 開発・営業技術担当 冨岡 智氏
〈内容〉
近年のダイカストにおいて、製品の要求品質向上とともに安定生産を維持管理することが重要視されている。一方、省エネ化も注目されており生産工程や設備の見直しが行われている。しかし、新規設備はコストがかかるため容易には導入できない状況となっている。そこで現在稼働している既存設備に対し現地にて改造することができ環境負荷低減に寄与できるダイカストマシンと周辺システムの事例を紹介する。
(11)閉会挨拶 15:50~16:00
日本ダイカストマシン工業会 技術委員会 委員長 池田信吾氏(東洋機械金属)