「景気回復に依存するのではなく自ら需要を創出することで発展」フルードパワー工業会が総会を開く
2013年05月28日
日本フルードパワー工業会(
憲一 東京計器社長)が5月16日、都内の東京プリンスホテルで第14回総会を開いた。総会後の懇親会であいさつに立った脇会長は、「日本経済は第二次安倍政権発足後、日本銀行との連携による金融緩和、緊急経済対策の柱となる補正予算の執行、TPP交渉への参加表明などの新たな政策が次々打ち出されました。為替市場では野田前総理が解散の意向を表明した昨年の11月から円安は20%以上も進行し、今月の10日には100円の壁を超え、企業の業績や輸出を押し上げています。ただし、この円安も行き過ぎると原材料価格の上昇や電気料金の値上げなどを招き、企業の収益を圧迫するのが懸念されます。新政権には一歩も二歩も踏み込んだ構造改革や、成長戦略に深く切り込む決断力、それを実行する行動力と突破力を強く求めます。夏の参院選を意識するあまり抜本的な改革が先送りし、もしくは棚上げされるようでは日本経済の再生など叶うはずはありません。フルードパワー工業会が3月に発表した事業見通しでは、平成24年度油圧機器の出荷額は、対前年度比2.6%増の3333億円、空気圧の出荷額も対前年度比1.7%増の2880億円とそれぞれ微増を予測しています。しかしながら景気回復に依存すること無く、地球の温暖化や社会インフラの老朽化など時代や社会の課題をフルードパワーの技術と知恵とで解決することにより自ら需要を創出することでわれわれは発展していくものだと思っています」と述べた。
続いて来賓を代表して宮本聡 経済産業省大臣官房審議官(製造産業担当)が、「過度の円高の是正が進み、100円を超えました。日本の産業競争力を中長期的に設備投資の分野についてはまだマイナスの傾向を感じます。おそらく稼働率からいうと投資を進めたいというのもあろうと思いますが、実体的な数字からは設備投資に火がついてない状態です。ここに火をつける政策、それが現在の政権における三本目の矢ですが、まさに6月中旬に向けて三本目の矢、成長戦略を検討しています。まずは日本産業の復興を目指して新陳代謝を促進する、研究開発やまたや技能を評価するための支援をするなど、日本が力を持ち、そして市場として開拓できる余地の大きい付加価値の高い分野として、医療分野、クリーンエネルギー分野、インフラ分野などに集中的に資源を投入するべく検討しています」とあいさつした。