森精機が量産化効用マシニングセンタ『MAX3000』の販売を開始!
森精機製作所(社長=森雅彦氏)が量産加工用マシニングセンタ「MAX3000」の販売をこのほど開始した。
「MAX3000」は、高速2面APCを標準装備し、俊敏性と高剛性を兼ね備えた主軸30番テーパの立形マシニングセンタ。このマシンは、ユーザーの生産性と効率性の向上を第一に考え開発した製品で、クラス最高の早送り速度や省スペースで剛性が高く、切りくずの影響を受け難い機械構造の採用により従来の30番マシニングセンタより高い付加価値を提供する。
特長は以下のとおり。
①省スペース且つワイドな加工エリア
これまで蓄積した30番マシニングセンタの実績データを基にした最適設計により、2面APCを装備しても所要床面積わずか4.6 m2と省スペース。また幅600 mm×300 mmと自動車等の小型部品加工に適したなテーブルサイズを有することで、円テーブルの搭載も可能で、高速送りを活かした小型部品加工から同時4軸制御を必要とする複雑形状ワークの加工まで、多様な加工アプリケーションに対応する。これによりこれまで複数台で段取り替えが必要であった工程を1台に集約することができ、フロア占有面積を削減するとともに加工時間の短縮が可能となる。
早送り速度は全軸でクラス最高の62 m/minを達成。小型部品の多数個取り加工など、早送りと切削送りを頻繁に繰り返す加工でも、軽量化された移動体が生み出す高加速度により加工時間を大幅に短縮する。またパレット交換時間もクラス最速の2秒を実現する高速APCにより非切削時間を短縮し、生産性も向上する。
③多様な加工形態に対応
主軸最高回転速度15,000 min-1を有し、主軸軸受内径をφ55 mmとすることで、既存30番マシニングセンタのイメージを上回る剛性の高い構造となっており、アルミの高速加工から鋼材の重切削まで対応が可能。素材もマグネシウムや鉄、鋳物、ステンレス鋼など幅広い素材に対応する。さらに治具への油圧・空圧の供給は1パレットに最大10ポート(オプション)まで可能であり、さまざまな治具の搭載が容易となる。また高速2面APCを一層有効に活用できる複数台連結のガントリローダ仕様やロボットの導入に対応している。
これにより、多種多様なワークに応じた最適な加工も実現する。
④高精度
コラムをはじめとする移動体を剛性を維持しながら軽量化し、移動体の重心とガイド間の距離を最小化する事でピッチングを抑制する。ガイドにはローラーガイドを採用することで繰り返し位置決め精度向上を実現した。主軸は主軸モータや主軸回転の発熱による熱分布を均等とする事で主軸変位の偏りを抑え、X軸方向にシンメトリック構造とする事により熱変位を抑制する。
APCは大径クロスローラーベアリング+サーボモータのシンプルな構造にすることで高速高精度でのパレット交換を実現するとともに、油圧やスイッチ類を使用していないため、故障のリスクを低減している。ATCもシンプルなアームレス方式を採用することで、部品点数を大幅に削減し、信頼性も向上。また、XYZ軸の駆動部分を全て加工エリア上部に配置する構造を採用しているため、量産加工で問題となる、切りくずやクーラントの影響を受け難くしている。
⑥MAPPS Ⅳを搭載
操作パネルには新型高性能オペレーティングシステム「MAPPS Ⅳ」を搭載している。自由にカスタマイズできるメイン画面や見やすいボタン配置など使いやすさを追求した操作盤。また対話型自動プログラミング機能を備え、複雑な形状の加工においてもプログラミング作業を大幅に簡略化して、容易に加工プログラムを作成できる。MAPPS内にはNCメモリとは別に50 MBのユーザー用記憶エリアを設けている。多くのプログラムが保存でき、それらのプログラムを直接NC装置に転送してダイレクト運転を行うことができる。
また、USBインタフェースを搭載しており、パソコンとの間で簡単にデータの受け渡しが行える。
⑦省エネルギー
環境への負荷低減とランニングコスト削減のため、電力消費が小さい新型CNCやLED機内照明などを採用しており、機械待機時にはサーボモータやクーラントポンプへの動力を遮断することで電力消費量を従来機比約30%削減している。
⑧多彩な周辺機器(MSQP)
スルースピンドルクーラント装置、ミストコレクタ、パレットプールなどの周辺機器やシステムは、品質・性能・保守性に優れた製品を森精機が厳選し、MSQP(森精機認定周辺機器)として認定している。これにより、ユーザーは機械と周辺機器を森精機で一括して手配することができる。機械だけでなく周辺機器についても森精機でサポートしてくれるうえ、加工に最適な仕様をオプションパッケージとして用意している。切りくず処理、クーラント、計測、ロボットシステムなど豊富なパッケージから選ぶことができる。
⑨安全性
ISO規格、IEC規格、UL規格、JIS規格など全世界各地域の安全規格に対応している。
同社では、今後もより多くのニーズに応えるよう、より高機能で信頼性が高く、投資価値のある製品を市場へ投入していくとしている。