年頭所感「“グローバル・ワン”を目指す」 森精機製作所 取締役社長 森雅彦

新年明けましておめでとうございます。

工作機械業界を取り巻く状況は引続き厳しいものがありますが、受注環境は着実に改善傾向にあり、日本工作機械工業会の受注額は2009年12月から前年同月比増を継続しております。円高の長期化に対しては懸念をのこしつつも、市場は少しずつ拡大し明るい兆しが見えてまいりました。

当社におきましては、販売実績累計28,000台のベストセラー機の「Nシリーズ」をさらに進化させた「Xクラス」を発表し、CNC旋盤・立形マシニングセンタ・横形マシニングセンタ・複合加工機それぞれに新製品を取り揃えました。「Xクラス」は時代の要求に応えるべく、市場ニーズを反映し、既存製品を多角的に分析することで、機械剛性や省エネ対応、安全規格などにおいて高いレベルで製品化を実現しました。

独GILDEMEISTER AG(以下、ギルデマイスター社)との協業に関しましては、昨年は米国、インド、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ベトナムで販売・サービス提携を開始し、新機種開発、部品の供給、ファイナンス等の分野においても提携を推進しております。また、昨年9月に米国シカゴで開催された「国際製造技術展(IMTS)」、10月に開催された東京での「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」では、ギルデマイスター社と共同で出展し、目標を上回る受注を頂きました。

さて、本年は、第2次中期経営計画「PQR555」を締めくくるにあたり、お客様へより最適な商品・サービスをご提供するために、俯瞰的な発想から更なる製品品質の向上や人材育成に注力を図り、経営体質の強化に取組んでまいります。

日本製の工作機械の不良率は10%程度、新興国製の工作機械の不良率は50%程度といわれています。外観では日本製と新興国製の見分けをつけることが難しくなっている今日において、配線・配管にいたる細部まで品質を高めて差別化を図るようにします。また、当社の輸出比率は7割を超え、最近は世界の複数の拠点で機械を導入し、サービスを計画されるお客様が増加傾向にあります。グローバルに展開するうえで社員のコミュニケーション能力の向上は必須であり、今まで以上に社員の英語力の向上を図ります。また、英語のみならず、社員の能力向上のために教育に力を注ぎます。私たちは「切削加工に関わるものづくりのことなら、まず森精機に相談しよう」と世界中で思って貰えるような存在、すなわち「グローバル・ワン」を目指すために、社員ひとりひとりの知恵やマナーを高め、チームワークを重視し、切磋琢磨してまいります。

本年も、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

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