東陽テクニカが「走査電子顕微鏡用標準試料」を発売 ~ユーザー自身で性能評価が可能に~

東陽テクニカ(社長=五味 勝氏)は、このほど高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)の性能を常時モニターができる標準試料の販売を開始した。この試料はi-SEM Laboratory(アイセム:社長=清水健一氏)が開発したもの。

高分解能FE-SEMは表面のナノ観察・分析に不可欠な手法として産業界を中心に広く用いられているが、実際に観察に携わっている多くのユーザーはその性能を十分に生かし切れていないというのが実情だ。とくに試料表面の真の情報を持つ画像を得るためには2 kV以下の加速電圧で観察する必要がある。加速電圧がこのように低くなるにつれ、得られる画像の質は試料表面の汚染の度合い、装置の設置環境、さらに装置を操作するオペレーターの技量など、様々な要因により左右される。

このため現場では装置の性能表に記載されている分解能から期待される鮮明な画像が得られない場合がほとんどで、その原因はユーザー側の技量不足や装置の設置環境の劣悪さなどとされ、一方的にユーザー側の責任にされているのが現状だ。その結果、“装置の性能表に記されている分解能での観察は除振や防音対策が万全な装置メーカーなどのデモルームで、高度の専門性を有する熟練したオペレーターが装置を操作しなければ得られない”という考え方がユーザーの間に広く浸透している。

同社ではこうした現状を打破し、ユーザーの方々に今お使いの高分解能FE-SEMの性能を常にモニターできるよう、今回、FE-SEM分解能モニター用の標準試料を新たに開発したとしている。

moldino_banner

 

 

intermole2024_大阪