「開発の歩みを止めない。世界に対して規格を発信することは日本のプレゼンスをあげること」日本工具工業会が記者会見を開く
2013年07月14日
日本工具工業会は去る6月13日、都内の銀行倶楽部で開催した通常総会で任期満了に伴う役員改選を行い、新理事長に堀 功氏(不二越 取締役工具事業部長)が第14代目の理事長に就任した。理事長の就任にあたり、堀新理事長はこのほど機械振興会館(東京都港区)で開催された記者会見の中で、抱負を語った。
堀新理事長は会見の中で、「私と当工業会のかかわりは1986年からで27年経ちました。工業会の目的は、わが国切削工具、塑性加工工具、製造業の健全な発達を図り産業経済の発展に寄与することですが、私はこれを普遍の言葉だと思っております。工具工業会が過去に歩んできた道のりは日本の製造業を支えてきたのは明らかです。われわれは縁の下の力持ちとして誇りを持って仕事をしていいと考えております。
ハイスドリル、エンドミル、タップ、歯切工具、ブローチ、リーマ、バイトなど形状をつくる技術は当工業会が長年培った技術であり、複雑な形状をつくる製造技術があってこそ、はじめて難しいものができる。われわれは過去の先輩方が培ってきた技術を活かして、さらに世界トップの工具を市場に出していくということが重要だと考えます。日本は技術を発信する、開発の歩みを止めないことが重要で、世界で勝っていくための条件だと思っていますし、歩みを止めないということが唯一、日本が製造立国として生き残ることだと思います。
私も過去に携わっていましたが、超硬ボールエンドミル、超硬ラジアスエンドミルの世界規格の発信は日本工具工業会でした。それからホブの世界規格の発信も当工業会でした。このような世界に対して規格を発信するというのは、日本のプレゼンスを上げる非常に良いことで、われわれが持っている技術を世界のデファクトスタンダードにするためのひとつの模索としてISOへの提言、たとえばエンドミルシャンクのドリルというのは日本初の技術であるということで、こういうドリルを世界規格に高めていくよう任期中に取り組んでいきたい」と意気込みをみせた。