「加工技術で省エネを図る」日本工具工業会が賀詞交歓会を開く
あいさつに立った堀理事長は、「昨年は年初からアベノミクスの影響が大きく、過度な円高が是正され各企業ともども業績が好転されました。今年に入ってからはアメリカの自動車販売台数は1560万台、中国が2150万台、日本が537万5500台で、自動車が与える影響は大きい。工具工業会も昨年の3月を底にして上がり調子です。消費税増税が今年ありますが、それまでは各社増産体制を敷いておりますし、年末年始の商戦も流通業界は高額商品が売れていると聞いております。非常に明るい話題がつきないのが2014年の幕開けではないかと嬉しく思っています。平成25年度末、今年の3月末までは1000億は絶対に達成したい。この調子でいきますと達成できると感じております。昨年を振り返りますと、5月に開催された超硬工具協会と合同で行った事業である世界切削工具会議はお陰様で成功に終わりました。もうひとつ、私が気がかりだったことのひとつに異常気象があります。東京の気温というのは100年前の沖縄の温度に匹敵すると言われています。この100年間で日本の温度も上昇している。われわれの生産活動が与える影響を考えます。自動車が吐き出すCo2の増加などの影響もあるかと思いますが、そこで我々はなにをすべきかを考えると、加工技術で省エネを図ることが工具工業会の目的であり、われわれの活躍の場であると考えます。環境委員会も相当以前から設置していますし、環境に対する取り組みも年々強化しています。微力ではありますが我々の加工技術が世界に与える影響という視点から、加工技術の情報発信も日本が真っ先に行うべきだろうと思っておりますし、日本産業界の力は今後ますます世界にとって必要になるだろうと感じております。日本だけでなく、世界を見据えた日本工具工業会でありたいというのが私の希望です」と述べた。
来賓を代表して須藤 治 経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつした。この中で須藤課長は、「昨年の間に金融緩和、補正予算、産業競争力強化法の制定で政策も次に向けて地盤を固めてきました。設備投資をはじめとして皆様方が気持ちよく稼いでいただける、そういう環境はつくってきた所存ですので、ぜひ今年はそれを使って次なる飛躍につながるよう、馬のように跳ねていく年にしていただければと思っています。工具工業会の昨年の活動を振り返りますと、世界切削会議はアジアで初めて開催され、超硬工具協会と連携しながら無事乗り切ってきました。また、コバルトの規制については大きな話で大きな苦労があると思います。今回の産業競争力強化法の中では規制緩和で企業実証特例制度という、きちんと体制ができている企業は規制を緩和していこうという仕組みが組み込まれています。いろいろ工夫をしながら前へ進んでいこうと思っています」とした。続いて石川則男 副理事長の発声で乾杯した。