「日本経済繁栄の礎を再構築していこう」 日本機械工業連合会が賀詞交歓会を開く
第二次安倍政権が誕生して1年が過ぎました。アベノミクスによる円安や株高、財政出動、さらに米国を中心とする世界経済の回復もあって、わが国経済はようやく立ち直り始めています。鉱工業生産や個人消費は堅調に推移しており、企業業績も改善傾向にあります。過去、20年間、幾度となく経済対策が打たれ、構造改革が進められてきたにもかかわらず、デフレの重圧から脱却できず、閉塞感に包まれてきたわが国経済に日が差してまいりました。今後はこの景気回復の動きを以下に民需主導の持続的な回復へとつなげていくか、今年は正念場の年になると言えましょう。
とりわけ政府の役割は重要であります。喫緊には今年4月からの消費増税への対応も踏まえて13年度補正予算等により切れ目のない公共投資で景気を下支えして頂く必要があります。また、先月産業競争力強化法が成立しましたが、「日本再興戦略」に盛り込まれた政策を早期に、確実に実行していただくことが大変重要です。規制緩和や企業支援等の効果により産業活動が活発化して景気回復がさらに拡大し、雇用や消費の拡大という経済の好循環に繋がってまいります。
企業の事業環境を国際水準まで改善していただくことも重要です。現政権になって、円高の是正、FTAやTPPなど自由貿易協定交渉の推進、経済成長と両立できる温室効果ガス削減目標の再設定など、事業環境改善のための努力が積極的になされておりますが、法人実効税率の引き下げや研究開発支援の拡大など税制改正、原子力発電所の再稼働も含めた電力供給の安定化、優秀な人材育成への取組など、さらなる実行を願いしたいと存じます。もちろん、東日本大震災からの復興は最優先の課題であります。震災発声から1000日が過ぎましたが、未だに復興途上の地域や企業は少なくないと聞いており、被災地の復興に向けて可能な限りの対応策が講じられることが必要です。
一方、われわれ企業の役割も大変重要です。機械工業界は厳しい経営環境が長らく続いてまいりましたが、イノベーションや合理化など懸命な企業努力に加え、産業政策の後押し効果もあって、ようやく業績改善傾向が出て参りました。今後も緩むことなくイノベーションを進め、新技術開発、付加価値創出、生産性向上に努めるとともに、メーカーの知見やシーズを活かして新たな需要を創出することにより、国内のものづくりを維持し、産業浮揚を図ることが重要です。
機械工業界は、わが国産業の中核としての意識をもって、この大事な時機に政府の施策を生かしつつ、今後の日本経済の繁栄の礎を再構築指定校ではありませんか。