「フルードパワー産業の魅力を国内外にアピールする」日本フルードパワー工業会が賀詞交歓会を開く
脇会長は日頃の感謝を述べたあと、「第二次安倍内閣が発足し早くも1年が過ぎました。昨年は衆参ねじれ国会が解消され、決められない政治に終止符が打たれました。内需の回復で企業全体では業績の回復が鮮明になっていますが、先行きは海外景気の下ブレと駆け込み需要の反動減が懸念されています。このような懸念を払拭し、日本経済を成長軌道に乗せるためには、企業の収益を改善し、設備投資や雇用も増加し、そして賃金が上昇し消費が拡大するという好循環を確立させなければなりません。企業も政治に依存するだけでなく、競争力と付加価値の源泉である人材、設備に投資することも不可欠です。日本はものづくり立国として産業を発展させ、経済を維持していかなければなりません。したがって日本のものづくりが復活しないかぎり日本の経済再生はありえないといっても過言ではありません。新興国で地産地消が進む中、リスクを分散しなければなりませんが、中国をはじめ東南アジア諸国でも賃金が上昇し、人件費の優位性はすでに薄れつつある今、海外移転を見合わせる企業、国内への生産を回帰させる企業も出始めています。日本の製造業が以前の輝きを取り戻しているわけではありません。日本の製造業には世界のどこにもマネができない得意技があります。ひとつは長い間に培われてきた独自性と優位性の高い技術。もうひとつは細かな調整と摺り合わせで複雑なものを仕上げていく技量であります。フルードパワー産業は日本の重要な産業です。当工業会は会員各社の皆様の新たな需要の開拓を支援するため、関連団体と情報を深め、フルードパワー産業の魅力を内外に発信し浸透させてまいります。また、当工業会は、独自性と優位性に加え、創造性と独創性を生み出すような技術基盤を確立するため、産学連携を強化します」とあいさつした。
続いて来賓を代表して、小川 誠 経済産業省大臣官房審議官があいさつした。この中で小川審議官は、「円高も是正され株価も上がってきているのでアベノミクスの効果が出ているのではないかと考えていますが、官公需が牽引しているということもあり、民間の最終消費についてはそれほど寄与していないのではないかと思っております。今後は民間ベースの設備投資、消費の拡大等が必要だと考えます。本年9月には日本の唯一のフルードパワー技術の国際見本市が開催されます。国内外に大きくアピールするとともに今後も様々な産業に貢献されるのではないかと思っています」と期待を述べた。