「INTERMOLD2014」がいよいよ開催! 各社の見どころと注目製品はコレだ!
「INTERMOLD2014/金型展2014」(主催=日本金型工業会・テレビ大阪)ならびに「金属プレス加工技術展2014」(主催=日本金属プレス工業会)が、4月16日(水)~19日(土)までの4日間、インテックス大阪で開催される。この展示会は今年で25回目を迎え、「最先端の金属加工と成形加工技術」の専門見本市として、金型の設計・製造から金属プレス・プラスチック成形に至る一連の工程を網羅。日本のものづくりを支える素形材産業の最新情報を発信する。
製造現場ドットコムが注目した各社の見所と最新技術のつまった製品はコレだ!
(アマダ/アマダマシンツール、イワタツール、オーエスジー、大阪機工、ダイジヱット工業、大昭和精機、日進工具、日立ツール、不二越、牧野フライス製作所、三井精機工業、安田工業、ユキワ精工)
「プロセス・イノベーション」をテーマに訴求
●アマダ/アマダマシンツール
アマダグループが掲げる今回のテーマは、「プロセス・イノベーション」。出展機は、アマダマシンツールからマルチプロセスセンター「MX-150」とグラフィカルプロファイル研削機「DV-1」の2機種。「MX-150」は、高精度5軸ミーリング、ターンミーリング、研削の3つの加工を1台に集約したマシン。素材から研削工程までを集約したプロセス改革を提案してくれる。「DV-1」は、CCDカメラによる自動機上計測と自動補正加工を行うデジタルマシン。今回の展示では砥石とワークを自動交換する「多関節ロボットストッカー」を装着し長時間自動運転によるコスト削減力を見せつける。アマダからはデジタル電動サーボプレス「SDE-2025」を展示・実演する。このマシンは多彩なモーションパターンを有志、多様な加工に対応できるサーボプレス。同社独自の工法であるパルス鍛造Ⓡにより輸送機器部品のボンでフリー化を実演する。HRC40~72の焼き入れ鋼加工が実現する「トグロンハードシリーズ」
●イワタツール
イワタツールが展開するのは、HRC40~72の焼き入れ鋼の加工が可能な人気商品「トグロンハードシリーズ」。3枚刃設計により、穴径精度・穴面祖度ともに抜群の仕上がりを誇り、トグロンハードSPとの併用で穴位置精度もアップする。このトグロンハードシリーズは、時期販売予定商品を特殊品として対応できるようになるとのこと。従来20Dまでしかなかった標準品のトグロンハードロングドリルが30Dまで対応できるようになる予定だ。これにより、従来以上に深穴加工が可能になる。さらにトグロンハードドリルシリーズをオイルホール付(特殊品)にすることでより高速高寿命、安定した穴加工が可能になる予定。また、特殊品だが非鉄金属やセラミックなどの難削材も加工可能なPCDドリルや高精度加工が可能なCBNリーマなども対応予定である。
「とことん金型 全力宣言!」をメインテーマに展開
●オーエスジー
メインテーマに「とことん金型 全力宣言!」を掲げたオーエスジー。「2つのOSGフェニックス」と題して、インデキサブル工具の新製品、OSGフェニックスシリーズや、“高斬込、高送り”をコンセプトに高能率な切込みと送りを実現したOSGフェニックスエンドミルシリーズ第5弾『ロングネックボール』にスポットをあてる。この『ロングネックボール』の魅力は、鋭い切れ味と強い刃先剛性を実現しているところだろう。表面皮膜には耐熱性・対摩耗性に優れるWXスーパーコートを採用し、困難だった突き出しの長い加工にも威力を発揮する。豊富なサイズバリエーションも取り揃えているのが嬉しい。また、昨年、新シリーズとして発売を開始し、あっという間に注目された『Aタップシリーズ』も待望のシリーズ拡大が実現し、本展示会で発表する。(5月以降順次発売する)。さらに、昨年秋発売開始したドイツZOLLER社製ツールプリセッタ『OZT』の実演を行う。高精度な削りを実感させる製品群!『VC-X500』は『A5-system』のデモあり!
●大阪機工
今回、OKKの一押し製品は『VC-X500』と『VB53』。中でも『VC-X500』に注目してほしい。従来機に比べ加工エリアを拡大すると共に、ワークの積載範囲も60%向上させ、さらに使いやすくなった。最大ワーク積載寸法に対するフロアスペースの比率はクラス最高レベルである。また、展示会ではA5-systemの「幾何誤差補正機能」を装着し、幾何誤差(回転軸の傾きや位置ズレ)の補正を自動で行う。同社では、「複合化・複雑化する金型・部品の高能率な工程集約加工に威力を発揮する使いやすい5軸機として商品化されました。今までの5軸機の操作性を徹底的に分析し、使う人に優しい5軸機です。剛性と高精度を両立させ、転がり案内のローラガイドを採用することで、高速性を実現し、切削性能も十分に備えた5軸加工が可能となりました」と自信たっぷり。一方、『VB53』は送り系に剛性の高いリニアローラガイドそして分解能の高い低リードボールねじを採用し、分解能0.05μmのリニアスケールフィードバックを標準搭載することで、微小送り指令に対する追従性の向上を図る。 高硬度材と戦う最新工具を追加!
●ダイジヱット工業
ダイジヱット工業は高硬度材の高速・高能率加工に着目し、最適な新コーティング『JC6102シリーズ』のバリエーションを拡張している。高硬度材加工用の『フィニッシュハードリーマDH-FHR形』は、高精度な真円度を実現し、60HRC以上の高硬度材の高速穴仕上げ加工を高精度に行うことを可能にした最新工具で、高硬度材穴あけ加工用『シグマドリル・ハードDZ-DHS形』と組み合わせて使用すれば更なる加工能率改善を図ることが可能になる。人気に押されて、今回はラインナップを大幅に拡大した。φ3からφ12.1の0.1ミリとびサイズに加え、金型のピン穴加工に最適な正寸の0.01ミリオーバー、0.02ミリオーバーサイズも取り揃え、なんと全112アイテムとなっている。他にも高硬度材の高能率かつ高精度な底面・側面仕上げ加工を追求したチップ『QMマックス用ミラーチップYPHW1003形』や、多刃仕様により究極の高速加工を実現した『QMマックス用ハードチップEPHW1003形』も見所のひとつ。高硬度材と戦うキャラクターにも要注目だ!
5軸加工の高精度仕上げ加工を実現する「ハイドロチャックジェットスルータイプ」
●大昭和精機
BIGの愛称で親しまれている大昭和精機。近年、5軸加工が増加し、干渉しないタイプの製品のニーズを受け、今回は従来から好評を得ていたハイドロチャックをさらにスリムにし、クーラントやオイルミストを刃先に的確供給する油圧チャック式ホルダ『ハイドロチャックジェットスルータイプ』を展示する。
レンチ1本で誰でも簡単に脱着でき、完全密封構造で油漏れの心配もないから、作業者の熟練度に依存しなくて済むというメリットのある製品だ。ワーク干渉をさらに抑えた先端の最小外径φ14mmのスーパースリムなど、様々加工用途に対応した充実のシリーズを展開する。
“満足のいく加工をするための要素技術”に注力している大昭和精機のブースには、加工精度にこだわるユーザーが必要とする製品のオンパレードだ。
新製品のオンパレード! 困難な加工を解決する工具群!
●日進工具
今回の日進工具は新製品のオンパレード。困難な加工を能率良く解決するための工具がズラリと並ぶ。特に注目して欲しいのは次の3点だ。①『DCMB 硬脆材加工用ボールエンドミル』は、ボールエンドミル用に最適化された強固で剥離に強い新ダイヤモンドコーティングを施しており、超硬合金などの硬脆材直彫り加工に対応している。
②『PCDRS PCDラジアスエンドミル』は、多結晶ダイヤモンド(PCD)を工具素材に採用し、切削による超硬合金への仕上げ加工で、高面品位を実現したラジアスエンドミル。ラジアス形状の特性を活かし、曲面・平面を問わず、安定した仕上げ面品位を得られる。
③『MMTM 無限コーティングシリーズ Mスレッドミル』は、人気のメートルねじ加工用のねじ切り工具。今回、M4・M5・M6用の3サイズを新たに追加した。タップ加工に比べ熱的影響が小さくなるため、ステンレスやチタンなどの加工に長寿命で安定した加工を実現する。
金型の高硬度鋼直彫りと高精度加工がテーマ
●日立ツール
刃先交換式工具のボールエンドミルは、インサート格納スペース等で2枚刃が標準だったが、日立ツールが新たに開発した『アルファーボールプレシジョンマルチフルート:ABP4F形』はなんと4枚刃。2枚刃を4枚刃化にすることで工具寿命が向上、①切削条件の改善(高速化)、②工具数量の低減、③段取りの低減、に効果を発揮する。特に中・大形金型の製造分野で加工能率が飛躍的に向上する製品である。『アルファ ボールプレシジョンF形 ABPF形 SC,ST,SFタイプインサート』はインサート エンド刃部のS字化により、加工時の切削抵抗が軽減され、工具寿命が飛躍的に伸びる。ビビリ易い加工箇所に対しても切削音が少なくスムーズな切削加工ができるのでチッピング等のトラブルシューティングが軽減され、切れ味が良くなり、仕上げ面はよりソリッドボールエンドミルに近くなる。
金型メーカーは必見の価値あり! 金型材の最新トレンドが勢揃い!
●不二越
今回は人気製品の『GSX MILLシリーズ』や『アクアドリルEXシリーズ』のほか、金型材の最新トレンドを前面に押し出す不二越。特に注目したいのは新製品の高靭性マトリックスハイス『DURO-FZ』を加えた8鋼種からなる精密金型用工具鋼『DUROシリーズ』。このシリーズは材料特性バランス(とりわけ靭性と耐摩耗性のバランス)を8鋼種それぞれ変えることにより金型の多様な使用環境に対応することができるもので、最大の特徴は、材料の疲労強度を高めるため、最新鋭の特殊溶解を活用している点だ。材料内部の炭化物分布を制御し、非金属介在物の極少化を図っていることにより金型の早期割れや欠けといったトラブルを最大限抑制する。また、鏡面性が重視されるレンズや携帯電話筐体を成形する金型に最適な耐食・鏡面プラスチック金型用鋼『PROVAシリーズ』も見所のひとつ。このシリーズは、非金属介在物を極限まで低減させることにより、鏡面性の阻害要因である ピンホールの発生が少ない特徴を持つ。幅広い製品ラインナップと独自の加工技術で金型づくりの設計から製造までトータルでサポート!
●牧野フライス製作所
マキノはCAD/CAMからマシニングセンタ、形彫放電加工機そしてワイヤ放電加工機まで幅広い製品ラインナップと独自の加工技術で金型づくりの設計から製造までを展開する。
注目すべきイチオシ製品は、あらゆる形状のワークに対応し、厚物ワークの加工効率を大幅に向上させた『ワイヤ放電加工機 U6H.E.A.T.』。
1回の荒加工で、ワーク板厚300mmで5μm(片側)の高い真直精度が得られ、仕上げ加工でも形状修正が容易となり加工速度が向上、従来機では4回加工が必要であった表面粗さを3回加工で実現し、加工時間と加工コストを大幅に削減するという経済効果抜群のマシンである。加工条件に合わせてワイヤ電極の供給速度を最適に制御し、ワイヤ電極の消費を抑えるので、省エネ効果も期待できる。他にも微細精密加工機『iQ300』、5軸制御立形マシニングセンタ『D300』、5軸制御横形マシニングセンタ『N2-5XA』、高精度NC放電加工機『EDAF2』、ワイヤ放電加工機CAMシステム『WIZ』を展示する。
精度の三井は原点回帰! 超精密金型加工の提案に注目!
●三井精機工業
「精度の三井」への原点回帰を目指して、精度規格改定を行った三井精機工業。人気の『Vertex』も位置決め精度・繰り返し精度の許容値を大幅に向上させている。高精度パッケージでは、精度に大きく影響する熱対策にも取り組んでおり、超精密金型加工の提案を展開する。
見どころは、『Vertex55X Ⅱ』でダブルヘリカルギアの同時5軸加工によるデモ加工及び、BLUM社のFoamControlを利用した機内での測定の実演。(エアーは三井精機のコンプレッサZgaiard[ZV08]から供給)。徹底したつくり込みによってジグボーラー並みの幾何学的精度を達成している『Vertex』は、直線軸にはリニアスケール、回転軸にはロータリーインダクトシンを標準装備し、位置決め精度の規格値をはるかに下回る実力がある。ますます精度へのこだわりを見せる三井精機の超精密金型加工への提案に注目して欲しい。
医療機器などの微細加工分野や、ベベルギヤやSVJ冷間鍛造用ダイなどの5軸加工がターゲット!
●安田工業
今回YASDAは産業のトレンドを押さえたマシンを展示する。目玉マシンは、医療機器などの微細加工分野に『YMC430 Ver.Ⅱ +RT10』と、ベベルギヤやCVJ冷間鍛造用ダイなどの5軸加工に的を絞り開発をした『YBM Vi40』。
『YMC430 Ver.Ⅱ +RT10』は、医療分野、小型精密金型、IT関連に代表される微細加工分野をターゲットに開発したマシン。特長は、リニアモータ駆動により、高速・微細運動においても高い形状精度を実現していること。DDモーター駆動の高精度傾斜円テーブルをドッキングすることでバックラッシュのない高速・高精度な位置決めを実現し、高い追従性が必要な同時5軸加工にも対応している。徹底した熱対策により長時間の加工も可能なうえ、振動源の分離などの振動対策がより加工面性状を向上させる。一方、『YBM Vi40』は、べベルギヤやCVJ冷間鍛造用ダイ、パンチなど高硬度・高精度・高面品金型の5軸加工をターゲットに開発したマシン。特長は、高精度・高剛性で定評のあるYBMシリーズ伝統の機械構造を採用していること。回転軸毎に最適な駆動方式の採用で2軸テーブルを低重心に配置しすることで制御性と減衰性を向上させ、安定加工を実現した。徹底した熱対策で長時間にわたる高精度加工が可能。金型加工に最適な軸構成を持つ。
ハイテクを駆使する分野で高評価! 『グリーンG1チャック』
●ユキワ精工
主要製品であるドリルチャックは国内で80%のシェアを誇っているユキワ精工。今回同社の一押し製品は、ハイテクを駆使する分野で高い評価を得ている同社の『グリーンG1チャック』。この製品は、「グッドデザイン賞2012 グッドデザイン・ものづくりデザイン賞受賞 中小企業長官賞」を受賞している製品だ。外観の仕上げも美しく、加工の高速・高速度化、高精度化、高能率化、経済性や環境性の向上などに貢献する。
従来は粗加工用と仕上げ加工用の2本のツーリングホルダが使用されていたが、この製品は、1本に集約できるよう開発されおり、1回で仕上げ加工を行うことができる。加工時間を大幅に削減することができるよう、ホルダの剛性、精度を最大限に向上する構造なのだ。高速・重切削時に発生するびびり振動対策も魅力である。内部に振動減衰機構を設けることで、工具への負担が大幅に軽減し、工具寿命が延長した。これにより高い経済効果が期待できる。