日立建機がハイブリッドホイールローダZW220HYB-5Bを開発
日立建機(社長=辻本雄一氏)はこのほど、ハイブリッドシステムを搭載したホイールローダZW220HYB-5B(標準バケット容量3.4m3、運転質量18.2t)を開発した。
ZW220HYB-5Bは、ZW-5シリーズのZW220-5Bをベースにしている。搭載しているハイブリッドシステムは、日立グループの協力を得て開発したもので、ディーゼルエンジンで発電機を駆動し、発電された電気を走行電動モータに供給する構造。そのため従来のパワートレインのようなトルクコンバータやトランスミッションが存在せず、動力伝達のエネルギーロスが大幅に低減された。さらに、減速時の回生エネルギーを電気として蓄電器に回収し、加速時の駆動力に再利用することが可能になった。また、油圧システムをさらに高効率化するなど、従来機の作業性を損なうことなく、燃料消費量とCO2排出量を大幅に低減している。
同社では2003年に、業界初となるハイブリッドホイールローダ(運転質量7tクラスの試作機)を開発し、その後実用化に向けた研究を続けており、ハイブリッドシステムを搭載した建設機械の製品化では、油圧ショベルが先行し、2011年7月にZH200ハイブリッド油圧ショベルを発売。低燃費性能だけでなく、さまざまな現場に柔軟に対応できる実用性を兼ね備えた新世代ショベルとして、現場で愛されてきた。2013年12月にはその後継機として、一層の低燃費と作業性の向上を追求、優れたコストパフォーマンスを実現し、オフロード法2011年基準適合機ZH200-5Bを発売している。
ZW220HYB-5Bは、今後各種性能試験を実施した後、2015年春の市場投入に向けて、準備を進めていく。なお同機は、製品化に先駆けて、7月10日から14日までの5日間、北海道帯広市で行われる「第33回国際農業機械展in帯広」に出展する予定。