ケナメタルの「KCSM30材種」は工具寿命の延長とチタンのミーリング加工速度が向上
2014年07月28日
チタンは、その高い強度重量比により、航空機エンジンおよび発電所のタービンブレードや、航空機機体およびレースカーのフレーム部品などの精密部品の分野で、依然として大きな需要があるが、鋼やアルミニウムのミーリング加工とは異なり、高張力で耐熱性に優れたチタンなどの合金加工は工場にとって大きな課題となっている。
ケナメタルの新製品「KCSM30ミーリング材種」は、工具寿命を約25%延長することにより、チタン加工を行う工場の部品あたりのコストを削減する。強度と安定性を実現する微粒子超硬母材と、優れた耐摩耗性を可能にするTiAlN PVDコーティングにより、工具寿命が延長されるだけでなく、切削速度を最大230 sfm(70m/分)まで高速化することができる。
チタンは強度が高いため、工具寿命を管理および延長するうえでは、熱管理が重要だが、KCSM30は、ケナメタル独自のBeyond Blastと組み合わせても使用でき、インテグラルクーラントチャンネルにより、インサートを介して切り屑の下の切れ刃に正確にクーラントを供給する。これにより、生産性を向上させながら、熱と摩擦を低減する。クーラントは、実際に切削を行うインサートクオドラントにのみ供給され、最大限に活用できるように、インサートには従来どおりスローアウェイインサートが採用されている。