OKKがM工場竣工式を開く。猪名川製造所全体の生産能力は2割アップ!

新しくなったM工場の外観
新しくなったM工場の外観
大阪機工(社長=井関博文氏)は、74年の間、活躍したM工場の建て替え工事が1年の工期を終えて完成し、8月28日に竣工式を開いた。これにより猪名川製造所全体の生産能力が1200台/年、横MC生産能力が400台/年体制となり、2割アップする。



徹底したエコ工場! 自動化ラインの構築とともにものづくりの基礎を伝承するラインも設置

午前10時に厳かな神事が執り行われたあと、工場内見学が行われた。
新しくなったM工場は、敷地面積9,700㎡、機械加工エリア4,800㎡(南側)、組立エリア3,300㎡(北側)とダイナミック。機会加工エリア5ライン(南側)、組立エリア(4ライン(北側)に、主要部品の機械加工及び横型機、5軸機を中心とする組立工場がある。

天井には明るいLEDライトが400機付いている。
松廣正樹 生産本部生産技術部長によると、「従来の水銀灯と比較すると約30%の消費電力しか使っていない」とのこと。LEDライトの下にはたくさんのホイストクレーンが並んでいた。ちなみにこのM工場は26機のホイストクレーンがぶら下がっており、それぞれのラインごと、重量によって大きさの違うホイストクレーンが使用される。

組立工場スペースは、(1)横MC組立、(2)横、特殊対応、(3)システム対応、(4)5軸機等組立、ユニット組立――の4つのラインに分けられていた。この組立エリアでは仕切りの壁が一切ない。組立エリアの空調温度を一定に保つためだ。そこにはM工場の特長である“徹底したエコシステム”があった。

「組立は空気を綺麗に保つよう神経を使う必要がある。金属を削る機械加工の粉塵の影響がないよう、非常にクリーンな空気を組立エリアでつくり、空気を再利用するという形で機械加工エリアに換気をしていく。このM工場は、太陽光発電により年間70万kwを発電し、省エネでエネルギーも監視し消費電力をコントロールすることができます」(松廣部長)

窓から覗いた恒温室内
窓から覗いた恒温室内
一方、機械加工スペースをみると、組立スペースと明らかに違うことはクレーンの本数だった。組立スペースよりもクレーンの本数が少ない。機械加工エリアでは、クレーンも使うが“自動で品物が配置される”というシステムを持つ。最先端の自動化環境が整備されるようだ。この機械加工エリアの注目すべき点は技能伝承エリアがあることと、高精度加工室(恒温室)があること。次世代を担う人材の育生をするスペースを工場内に確保しているところも画期的である。窓から恒温室を覗いたところ、これから導入される新設備の研削盤2台の受け入れ体制が出来ていた。
このように機械加工スペースは全自動の加工ラインの構築と、技能伝承エリア、超精密機械加工エリアを持つことが大きな特長であった。

より良い機械を全世界に向けて送りたい

あいさつをする井関社長
あいさつをする井関社長
工場見学が終わったあとの直会で井関社長があいさつをした。
この中で関社長は関係各位に感謝の意を述べたあと、「このM工場は、戦火の足音が高まる中の昭和14年に猪名川の地に8万坪を確保して猪名川製造所を新設し、本格的に工作機械の増産体制をはかった。以来、70数年に亘り、弊社の中核的な工場としてその役割を果たしてきた。長年の老朽化により生産活動に支障が出てきたので建て替えに至ったが、来年、創業100周年を迎えた今に、次の世代を担う基幹工場としての新しい姿をみせることができたことは大変な喜びでもある。新M工場では大半の設備を更新し、生産能力が2割アップする。特に、横形、5軸機においては増産をしていきたいと計画している。生産効率や品質面も向上した新M工場については、お客様に自信を持ってお見せできる工場として、営業の最大の武器として活用したいと思っている。今日はOKKの新しいものづくりの始まりの日。気持ちを新たにし、より良い機械を全世界に向けてお送りしたいと思っています」と意気込みをみせた。

井関社長から並川設計事務所 並川浩之氏、大林組 専務執行役員 大阪本店長 長谷川 博氏に感謝状が贈呈されたあと、それぞれが謝辞を述べた。加藤友彦 取締役上席執行役員生産本部長の乾杯の発生で祝宴が開かれ、浜辺義男 取締役常務執行役員猪名川製造所長の手締めでお開きになった。

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