「Work NC V21」が新機能を追加
セスクワは2月24日に開催された「Work NCセミナー」でWork NCバージョンアップの内容を発表した。
新しくなった「Work NC V21」では、仕上げツールパスやさまざまな機能が追加された。特筆する部分は計算時間が大幅にアップしたこと。今後の加工効率改善や生産性向上、経費削減に期待できる内容となっている。今回は、新製品「EDMモジュール」機能も紹介し、加工ニーズに応えている。
リードタイム削減へ
今回バージョンアップした「Work NC 21」だが、最新のディアル・マルチコアCPUに対応できていなかったことを踏まえ、マルチコア計算をサポートすることでCAMの計算時間の圧縮を狙った。従来のV20までは32bitOSのみをサポートしていたが、ワークサイズが大きいデータでは大容量メモリの活用が必要になる。そのため64bitOSに対応することで大容量メモリを利用した計算時間の短縮を図ることを実現した。これは同ワークゾーン内の計算を並列計算することでトータル計算時間を圧縮するというもの。Auto 5&ホルダー干渉チェック(高精度)など、比較的計算時間がかかるプロセスにもマルチコア計算を適用している。
仕上げ加工パスも新規追加。等高線+最適化工の加工では、立壁を加工した後緩斜面を加工するため加工順番としてはランダムになったり、工具摩耗によっては加工段差が発生する可能性もある。そこで、上部より順番に加工することで加工段差を回避した加工を実現するように工夫がなされている。スパイラルの動きを設定することでワークからの工具離れを低減し、アプローチ痕などを減少した加工を可能にしている。また、従来の近似Rの設定では、計算上のストックモデルと加工後の素材形状に相違が発生したり、相違部分のアプローチ等で工具のチッピングが発生する可能性も指摘されるが、このような高送り工具への対応として、2種類のR形状を設定することで高送り工具形状を再現している。ストックモデルが高送り工具加工後の形状となり、中・荒加工に反映するようになった。
V20までは平面に対して固定5軸加工を行うには、VIEW(加工方向)を指定することが必要だったが、V21の平面仕上げ加工では、平面を指定することで自動的に加工角度を算出する。5軸加工機の有効活用へ期待ができる仕組みとなっている。