日立ツールが複合材(CFRP等)加工用シリーズをはじめ、続々と新商品を発表

日立ツール(社長=田中啓一氏)が続々と新商品を発表している。
JIMTOF2014では、画期的なセラミック工具を展示し、注目をあつめていたが、他にも複合材(CFRP用等)加工用シリーズ、超硬合金加工用小径エンドミルのほか、人気のステンレス・難削材加工用エンドミル「エポックSUSマルチ」のアイテム拡大など、ユーザーの期待に応えた工具が満載だ。

複合材(CFRP等)加工用シリーズ『エポックCFRPシリーズ ECH-SD,ECX-SD,ECN-HD,ECW-HD』

近年、航空機産業ではCFRPをはじめとする繊維強化プラスチックなどの複合材が多用されており、その適応範囲は自動車産業やその他産業等にも広がりを見せているが、材料の薄肉化などから切削振動が大きく、加工能率の低減、バリ・デラミの発生等の問題に加え、材料によっては著しい工具寿命の低下等といった問題もあり、更なる高能率、長寿命加工が可能な工具が求められている。

このような背景を受け、同社では、CFRP等の複合材をターゲットにした『エポックCFRPシリーズ』を商品化した。これにより、特に不安定なクランプ状態においても切削抵抗・振動を抑制できる特殊刃形を採用し、高能率・長寿命・高品位な加工が可能となった。また、ユーザーの様々なニーズ(能率、寿命、精度)に対応すべく、形状・コーティングの異なる4タイプをラインナップした。




●ECH-SD
『左捩れ+低抵抗刃形』を採用し、溝加工時等の上面に発生するバリを抑制する。
再研磨可能なSDコートの採用により、ランニングコストの低減が図れる。

●ECX-SD
刃長間で捩れ角が逆転する『交互捩れ+低抵抗刃形』を採用し、トリミング時の上下面バリを抑制する。
再研磨可能なSDコートの採用により、ランニングコストの低減が図れる。




●ECN-HD
切削抵抗低減に効果のある『ニック切れ刃形状』の採用により、面品位向上が図れる。
ダイヤモンドコートにより摩耗進行の早い材料でも長寿命化が図れる。

●ECX-SD
特殊刃形により抵抗を低減。更に刃先頂部に微小外周刃を設けることで、刃先チッピングを防止する。ダイヤモンドコートにより摩耗進行の早い材料でも長寿命化が図れる。

■用  途■
繊維強化プラスチック(CFRP、GFRP、AFRP等)複合材における溝・トリミング加工等。
■基本仕様■
ECH-SD、ECX-SD:(Φ6、8、10、12)各4アイテム
ECN-HD、ECW-HD:(Φ6、6.35、8、10、12)各5アイテム 

価格は、ECH-SDが\15,768~31,212、ECX-SDが\18,252~37,476で、いずれも消費税込み。

超硬合金加工用 小径エンドミル『 エポックシャイニングスクエア EPCDS 』

近年、金型寿命向上のために被削材の高硬度化が進んでおり、超硬合金を使用するケースが増えつつある。高硬度材料を長寿命に安定して加工することは非常に困難であり、中でも平面部の加工は工具に欠損等の損傷が生じると加工筋が残るなどの問題があるため、工具の切れ刃稜線の損傷を抑えることが重要である。そこで同社では、超硬合金の平面における超仕上げ加工をターゲットに『エポックシャイニングスクエア』(φ0.1~φ1)を商品化した。超硬合金の平面加工において耐摩耗性を向上させるために多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)を採用し、刃先強度を高めた工具形状とし、スクエアエンドミルでも安定して加工できる設計である。
特長は以下の通り。

(1)多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)
エポックシャイニングスクエアは工具材種に多結晶焼結ダイヤモンドを採用したことにより耐摩耗性に優れ、非常に高硬度である超硬合金においても長時間の仕上げ加工に対応可能なスクエアエンドミル。

(2)円弧形状の切れ刃
エポックシャイニングスクエアは円弧形状の切れ刃を有していることから刃の剛性が高く、耐欠損性に優れたスクエアエンドミル。従来品と比べて、加工形状精度を維持できる。

多刃エンドミル
エポックシャイニングスクエアは多刃を有しているため1刃の負担が軽減し、長寿命を実現した。

■用途■
超硬合金の平面の超仕上げ加工、隅部の加工。
■仕様■
φ0.1~φ1、スクエアエンドミル(全8アイテム)

価格は¥54,324~¥76,032(消費税込み)

ステンレス加工用エンドミルシリーズ『エポックSUSマルチ』アイテム拡大(ミディアム刃・ロングシャンクを追加)

同社では、このほど部品加工をターゲットとしたステンレス加工用エンドミルシリーズ『エポックSUSマルチ』のアイテムを拡大した。このシリーズは部品加工分野のみならず金型分野において市場で高い評価を受けている。さらなるシリーズ拡大の要望もあり、その中でも特にご要望の多かったミディアム刃(レギュラー刃とロング刃の中間刃長)およびロングシャンクを追加発売するに至った。

『エポックSUSマルチ』は特殊刃先形状を採用し刃先強度、耐摩耗性を高め、欠損を防止することで長寿命加工が可能となる。また、傾斜切削やZ方向への加工にも対応できるため、ドリルの工程が削減でき、大幅な工程集約も可能となる。
特長は以下の通り。

①ステンレス材の加工に最適な刃先形状のため、安定した加工が可能である。
②不等分割刃型を採用しており、高切り込みにおいてもビビリ振動が抑制できる。
③高密着性と耐摩耗性を両立したパナシアコートの採用で長寿命な加工が可能である。
④2段ギャッシュ形状を採用しているため、傾斜切削などのZ方向への加工に対応する。
⑤ダブルエキセンの採用で、摩耗進行を抑制し、長寿命な安定加工が可能である。

■用途■
部品加工をメインとしたステンレス材の加工・超耐熱鋼などの難削材加工
■アイテム拡大品仕様■
スクエアタイプ ミディアム刃 :φ3~φ20(12アイテム)
スクエアタイプ ロングシャンク:φ3~φ17(13アイテム)

価格は、スクエアタイプ ミディアム刃が¥8,996~¥73,224、スクエアタイプ ロングシャンクが¥10,282~¥61,560で、いずれも消費税込み。

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