第8回環境大賞は三菱マテリアル 明石製作所が受賞 日本工具工業会

日本工具工業会(理事長=堀 功氏)が、11月28日、高輪和彊館で「第8回環境賞表彰式」を開催した。

この賞は自主行動計画に基づいて、温暖化対策エネルギー起源二酸化炭素を2004年度に基準年として、絶対量及び生産高原単位を削減する改善活動と、廃棄物の総量削減及びリサイクル率向上活動の両面から2013年度(2013年4月~42014年3月)の環境調査結果を厳正に評価したものである。

1.環境大賞
●三菱マテリアル 明石製作所

高レベルの環境マネジメントのもと地球温暖化防止、廃棄物削減の各環境活動に積極的に取り組まれた。現状の生産拡大の局面にあっても改善実績を着実に積み重ね、今回の環境調査で総合評価第1位の実績。活動の中でも廃棄物削減に注力し、廃砥石の再資源化の徹底に加え、鉱さいの処理にも目処をつけた結果再資源化率は99.9%となりゼロエミッションを達成している。これらの環境管理活動は他者の規範となるものである。

2.環境栄誉賞
●オーエスジー

完成度の高い環境マネジメントシステム、環境管理活動が確実に期待されている。12年度、13年度連続で環境大賞を受賞し、今年度は環境大賞の受賞対象から外れているが、環境調査の結果は会員企業の中で最高点となっている。この実績は、今年度から新設した環境栄誉賞に相応しいと判断した。

3.環境特別賞
(1)環境温暖化防止
●早坂精密工業

リーマンショック後の2009年は生産縮小により、各社ともCO₂原単位排出量を増加させ、これまで異常の対応に迫られることになった。今回の環境調査において、高い改善効果をあげ且つ3年連続でCO₂原単位排出量の削減を成し遂げた、継続的な活動は他者の模範として評価される。

(2)廃棄物対策
●レッキス工業 トットリ工場

廃棄物対策の活動を継続的に取り組み、再資源化率は2011年以降99%以上を維持継続。その中で、今年度は廃棄物を絶対量で33%、原単位で31%削減し大きな実績をあげている。この活動は他社の模範と評価される。

4.環境貢献賞
(1)エコプロダクト部門
●三菱マテリアル 明石製作所 開発部

対   象:ヘッド交換式エンドミルiMXシリーズの開発
技術の特徴:従来ヘッド交換式工具の、ろう付け部の剛性、強度低下やヘッド超硬ねじ部の破損といった問題を下記にて解決。
・一体四季超硬ホルダによる超硬ヘッドと超硬ホルダの2面高速。
・超硬に特殊接合した鋼製ねじ採用。

[結果]
工具寿命:他社品比較1.5倍
加工時間短縮:他社品比較1/2(切込量0.5→1.0mm)
ユーザでの廃棄物削減:従来ソリッド品比較73%減

[エコプロダクツ格付]☆☆☆

●オーエスジー デザインセンター 開発グループ

対   象:Phoenix P5D フェニックス インデキサブルドリル
技術の特徴:5Dの穴あけ加工において、3D穴あけ加工に劣らない高能率と高いコストパフォーマンスを実現。
・高剛性と高い切り屑排出性を兼ね備えた独自のボディ設計。
・切れ味と強度をバランス良く兼ね備えたインサート設計。

[結果]
工具寿命:他社品比1.5倍(50穴→75穴)
加工能率向上:他社品比1.2倍(0.15→0.18mm/rev)

[エコプロダクツ格付]☆

●不二越 工具事業部

対   象:Hyper Dual SP ホブ
技術の特徴:加工能力を従来比2倍にアップさせ生産性、省エネに貢献。加工設備も1/2となりスペースの効率化に寄与。
・耐熱性や密着性に優れたコーティングの開発。
・対摩耗性や耐チッピング性に優れた材料の採用。
・工具形状の最適化を実現。

[結果]
加工能率向上:切削速度を従来比2倍(150→300mm/min)
CO₂削減:年間4.9ton削減(年間電力量26%削減)

[エコプロダクツ格付]☆

(2)エコファクトリー部門
●彌満和精機工業

対   象:クーラントポンプの電力削減
技術の特徴:クーラントポンプの圧力制御を行いポンプ回転数を調節することにより、省エネルギー・吐出圧力の安定を図る。
・クーラントポンプへのインバータ、圧力センサーの設置。
・圧力センサー、インバータによりポンプ吐出圧力の制御。

[結果]
電力使用量:改善前比38%削減(112,067→69,498kwh/月)
年間電気料削減:6,130千円/年

[エコファクトリー格付]☆☆

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