重切削のOKKを見せつける! 新M工場の竣工披露を兼ねたプライベートショー「After JIMTOF」を開催
大阪機工(社長=井関博文氏)が12月5日(金)、6日(土)の2日間、同社の猪名川製造所において、“新M工場”の竣工披露を兼ねたプライベートショー「After JIMTOF」を開催し、多数の来場者で賑わった。OKKの強みである高剛性、重切削を前面に打ち出し、効率化や高速性で新しい横形マシニングセンタがさらに充実したRシリーズに注目が集まった。OKKのプライベートショーをレポートする。
OKKのマシンつくりを見せつける!
猪名川製造所は加工から組立までの一貫生産工場である。南側のエリアは機械加工がメイン、北側は主に組み立て工程を行っている。受付を済ませて新しくなったM工場へ向かう。OKKの工作機械製造の主力工場として猪名川製造所がスタートしたのは1939年。メイン工場として同社を支えてきたのがM工場だった。新M工場は旧工場と同様、機械加工エリアと組立エリアの両機能を有する最新工場として生まれ変わった。
続いてP工場を見学。P工場はOKK初の恒温工場だ。ここではVM53R/VM43Rをつくっていた。次はV工場へ。敷地内には「1分間で100メートル以上の速さで歩きましよう」と健康的な看板が立っていた。
V工場に入る前に、靴を磨く装置に足を通さなければならない。靴についたゴミや埃を排除するためだ。この工場は2006年に竣工されており、液晶パネル加工用の大型機や航空機部品の対応など大型マシニングセンタの生産拡大に伴い建設された工場である。以降、5軸加工機を含め、主に立て形マシニングセンタを主流とした組立工場として運用されている。一部「VC51」などの小型もあったが、VMシリーズの大型を組み立てていた。次にW工場を見学した。
この工場は2009年に建てられた。この頃、自動車部品加工業はもちろんのこと、建設機械産業やエネルギー関連産業の好景気を受け、横形マシニングセンタ、特に大型機に対応できる工場として竣工したが、現在は横形マシニングセンタの専用組立工場として運用されている。大きな横形を組み立てていた。
最後にS工場に入る。ここは主軸関係の一貫生産工場。切削エリアと空調ランクを恒温室とした研削エリアを持ち、階上のフロアには組立エリアを有している。
OKKでは約400種類の主軸が生産されている。材料を適切な長さに切断、S工場に運び込まれ、機械加工が始まる。旋盤の工程、マシニングセンタによる穴あけ工程を約40台の設備で対応。そうして隣接した熱処理工場で主軸は焼き入れ後に保管される。十分な硬度はガス侵炭焼き入れによるものである。切削加工、焼き入れ工程後、研削待ちの棚で保管される仕組みだ。研削には何種類もの設備機械が必要だという。ちなみにギヤもこのフロアで完成される。機械加工が完成した主軸、ハウジングは3階に運ばれ、そうして主軸ヘッドに組み込まれて慣らし運転、調節を行う。これらの工程を経て完成し、最終組立工場へ運ばれる仕組みとなっている。来場者もOKKのマシンに期待!
プライベートショーを見学した来場者も生産基盤の充実を図って顧客の要望に応えていく――としているOKKの意気込みを感じているようだ。金型設備総合商社の植田機械 顧問の薮原 健氏は、「新しくなったM工場は素晴らしい工場となっており、ますますOKKさんの信用も増すだろうと感じた。強みである“重切削”と“剛性”に対する思い入れも再確認できて、今回のプライベートショーは見応えがあった。今後もの展開もますます期待がもてます」とエールを送る。
ローム・メカテック 製造部 金型製造課 杉本勝巳係長も「重切削のテストも拝見し、重切削の観点から非常に注力されているのが分かった。国内において工場を大きくされており、国内製造にこだわっている一方、タイにも工場を出されており、グローバルに活躍されている。今後、おつきあいをしたくなりました」と期待を込めていた。OKKは来年100周年を迎える――――。