ヤマザキマザック「JIMTOF2014アンコールフェア」をレポート! ~最新テクノロジーに触れる~

ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)が12月4日~6日までの3日間、同社の美濃加茂製作所/美濃加茂第二製作所ワールドテクノロジーセンターで「JIMTOF2014アンコールフェア」を開催し、多くの来場者で賑わった。今回のアンコールフェアは、JIMTOFに来られなかった来場者のために会期中、好評だったセミナーも充実させており、内容豊富なプライベートショーとなっていた。

ヤマザキマザック「JIMTOF2014アンコールフェア」をレポートする。

マザックの最新テクノロジーに触れるチャンス!

来場者もMAZATROL SmoothXに興味津々!
来場者もMAZATROL SmoothXに興味津々!
「JIMTOF2014アンコールフェア」の会場となった美濃加茂製作所は、ヤマザキマザックの中でも最大規模を誇る工場で、人気のINTEGREXシリーズや門形マシニングセンタを生産している。

今回のフェアで真っ先に目に付いたのは、JIMTOF2014でも注目されていたマザック独自のCNC装置『MAZATROL SmoothX(マザトロール スムースエックス)』。今回で第7世代となるこの製品は、同社が、「創造力によるNC装置開発製造の集大成とも呼べる」として、満を持して市場投入したものだ。新たに19インチのタッチパネルを採用するなど操作性の飛躍的な向上や加工時間の大幅な短縮、そして工場経営のサポートまでを“スムース”に行うCNC装置として大きな期待が寄せられている。

「どんな身長の人でも操作しやすい“チルト式タッチパネル”」と説明があったので、どんなものかと触ってみる。同じように操作盤に触れている方の「おおっ!」という驚きの声が聞こえた。周囲囲の反応も上々だ。

薄くフラットで斬新な操作盤形状はポルシェやフェラーリといった世界的な車をデザインしてきた工業デザイナーの奥山清行氏がデザインしたものである。身長の高い低いに関係なく、オペレータの使いやすさを考慮し自由な角度調整ができるようになっている。この考え方は、エルゴノミクス・デザイン(人間工学に基づいたデザインのこと)といって、マザックのマシンづくりの特長ともなっている。

大口製作所並びに精工紹介エリア
大口製作所並びに精工紹介エリア
美濃加茂工場内では大口製作所並びに精工の紹介エリアが設置してあった。美濃加茂製作所に隣接している大口製作所は、最先端の横形マシニングセンタやマルチタスキングマシン、FMSを生産しているとのこと。一方、精工は、5軸加工機VARIAXISシリーズや立形マシニングセンタを生産している。このプレゼンを担当していたのは若手社員だった。「若手社員が大勢を前にしてプレゼンを担当することは、モチベーションのアップを図ることにも繋がる」とチラリと教えてくれた。

新しいラインが出来る。
新しいラインが出来る。
工場内を歩いていると、剥き出しの「VERSATECH-Series(旋回テーブル仕様」がドーンとあった。高剛性鋳物構造最大級のコラムを誇っているこのマシン、標準でも6軸制御である。全軸最新技術を採用しており、Z軸はラム上下動ツインボールネジで、□450mmの最大級のラム。

ふと後ろを見ると、工場の一部に白い囲いがしてあった。新しいラインをつくっている最中だという。囲いの隙間から覗いてみると、驚いた。かなり下まで掘り下げてある。ものをつくるモト=マザーマシンを製造するのだから、工場自体にも強固な剛性が必要である。これでもか! というくらいにガッチリとした基礎固めをしているのが分かった。

航空機用のマシン。
航空機用のマシン。
さらに奧に進むと、2階建てマンションがすっぱり入りそうなマシンがあった。これはデカイ! その横には、航空機用のマシン。これもまた大きなマシンである。自動で扉が動く様を拝見することができた。マシン上部にあるオレンジ色のライトが流れるように光る。ここにもデザイン性の高さを見ることができた。切削加工の様子を見せてもらうと、もの凄い勢いで吹き出すような切り屑が迫ってくる感覚に襲われ圧倒された。大物をあっという間に加工するというスピード感溢れるデモ加工だ。

話題を巻き起こした金属3Dプリンタと融合したハイブリッド複合加工機がコレだ!

同社で話題を巻き起こしたといえば、金属3Dプリンタと融合したハイブリッド複合加工機『INTEGREX i AM(インテグレックス・アイ・エーエム)シリーズ』だろう。AMとは、ADDITIVE MANUFACTURINGの略で、3D積層造形を表している。マルチタスキングマシン(複合加工機)の代名詞となった同社のINTEGREXシリーズに3D積層造形機能をハイブリッド融合させた次世代の工作機械は大きく注目を集めた。

3D積層造形技術を融合したこのマシンは粉体であればあらゆる金属材料を使用でき母材と異なる材料の造形もできるという特長を持つ。旋削・マシニングの複合加工と3D積層造形技術を自由に組み合わせることで、部品の欠損部分の補修からコーティング、ニアネットシェイプ加工等ができるというまさに製造革新をもたらすマシンなのだ。

ターボインペラのリペア
ターボインペラのリペア
同社ではこの技術について、①金型を使用しない試作部品の製造、②素材単価もしくは付加価値の高い部品の製造、③付加価値の高い製品の再利用(リペア)を中心として普及が進むと考えており、工作機械の新たな可能性を開拓していく狙いがある。今回、ターボインペラのリペアを見せて貰ったが、このような付加価値の高い製品が修理できるとなると、経済効果に大きな期待が持てることは確かだ。

同社では前回のJIMTOFと比較して、今年は2倍以上の600件ほど引き合い件数があるという。今後も、世界中のあらゆる産業のニーズに答えるべく、“DONE IN ONE(ダン・イン・ワン:工程集約)”のコンセプトをさらに深化させるとしていた。

ヤマザキマザックは今後も次世代加工技術を豊富な製品ラインナップに融合させたハイブリッド複合加工機の開発を進めていく―――。

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