爆笑! 「CIMT2015 レポート」番外編
さて皆様、「CIMT2015 レポート」には番外編があります。
この展示会、入場前の検査時には、安全のためかライターを持っていると没収されると聞きました。タバコを吸われる方は、自分の分身が取り上げられたと等しいですね。
ところが!
展示場内ではなぜかライターが売っているとのことで、これじゃあ、なんのために没収されたか全く理解できません(笑)
このカオス的な中国展示会の現状を、注目記事で執筆してくださった下村栄司氏が番外編としてレポートしてくださいました。もう、笑いすぎて涙目です。
車に轢かれそう! クラクションとブーイングの嵐がお出迎え
私は今回のCIMT 訪問は3 回めで、ベテラン(?)の域になりました。
今更驚くまでもなし、という感もなくはありませんが、やはり日本の展示会と比較し、「これでいいのか?」と思ってしまうことがいくつかありました。
展示会場に入る前から会場内まで、順番に紹介していきます。
●車で会場についたなら・・・・・
展示会場である中国国際展覧中心(新館)は立派な建物で、国際的にも充分通用すると思います。しかし、建物の周辺は国際レベルには程遠いと言わざるを得ません。
北京市内中心部から展示会場へのアクセスは地下鉄15 号線の「国展」駅から徒歩、または車となります。地下鉄の場合は特に問題ありません。問題なのは車の場合です。なぜかと言うと、降車する場所がないのです! 日本の展示会場は少なくとも降車場所くらいはあります。ここには「車寄せ」のようなものが一切ありません。
じゃあ、どうやって降車するか?・・・展示会場の前の道路(いつも渋滞している)で、後続車から激しいクラクションを浴びせられながら、素早く降りるのです。南ゲート建物の前には無駄に広く、そして何もない広場があります。こんなに広い場所があるのなら、せめて降車場所くらい(それにタクシー乗り場)は作ってもらいたいと思うのは私だけではないはずです。
この国では完全に車が優先。青信号でも平気で車が曲がってくるので、気を付けていないと轢かれます。その代わり、人も赤信号でも車の間隙を縫って道路を渡ります。日本の常識は通用しません。奥に展示会場が見えます。
●えっ、これが入口?
建物にふさわしい周辺環境があってしかるべきと考えるのが我々の常識ではないでしょうか。しかし、ここでは違います。下の写真を見て下さい。裏口や通用門じゃありません。
これが、国際展示場のゲートなのです。ここに来るたびに会社のM君と「今回のゲートは進歩したかなぁ」という話題でちょっとだけ盛り上がります。その予想が微妙に的中しました。なにせ、前回は人一人通るのがやっというレベルだったのが、今回はいっぺんに7~8 人は通れる!
写真左=今回 右=前回(2013年)
たくましい商売根性にたまげる
●ゲートの前の路上にて
中国では、人が集まるところ「ビジネスチャ~ンス」ということで、ゲートの前の路上には色々な人達が登場してきます。下の写真右のおばさんのペットボトル入り水の路上販売はギリギリ理解できる範囲ですが、写真左のパイナップルを売っているおじさんにはぶったまげました。買う人がいるのでしょうか?
でも、このおじさん、おばさんたちはまだマシ(?)な方です。南ゲート建物前には凄い人がいました。写真を撮れなかったので(というか、撮ったら怖いことになりそうだったので)、イマイチ真実味に欠けるかもしれませんが、「それって詐欺じゃねぇの」と思われる行為をしている人です。
「詐欺行為」ってのは、つまり会場内で無料でもらえるガイドブック(厚い本で、立派に見える)を売っているのです。会社のM 君がいち早く発見し、私に教えてくれました。中国語ができるM君は詐欺氏(詐欺師ではない)にガイドブックの値段を聞いたそうです。60 元(約1200 円)とのこと。「こいつ馬鹿じゃねぇの」と憤慨したM 君、「安いね。会場内では100 元(約2000 円)で売ってたよ。」と詐欺氏に誘い水をかけると、「そうだろ~安いだろ~」だって。何も知らない人は買うのでしょうか?
中国は何でも商売にしてしまう、たくましさに満ち満ちています。また、ゲート前には数台のタクシーが客待ちをしています。ごく普通の光景ですが、「あれはボッタクリだから乗るな」と言われました。いわゆる「白タク」ではなく、ちゃんとしたタクシー会社の車であるにもかかわらずです。この辺がどうも理解に苦しみます。それでは会場からタクシーに乗るときはどうすればよいのかと言うと、流しのタクシーを捕まえるんだそうです。これならばボッタクられません。
●南ゲートにて
CIMT の開場時間は午前9 時です。我々は出展者なので、当然のことながら9 時前には会場に入って準備や朝礼があります。しかし、開場の30 分前にならないとゲートが開きません。
下の写真は4 月21 日の8 時32 分の状態です。この時点でまだ建物の扉が開いている様子はありません。ここだけで関係者は数百人はいるでしょうか。たとえ数百人いたとしても、ただ単に入場するだけならそれほど時間はかかりません。
しかし、扉が開いたとしても入場待ちの列はなかなか進まないのです。
みなさん騒然とならんでおり係員の誘導もきちんとしていた。
これは閉場後に撮ったもの。機動隊みたいな面々が整列して終礼みたいなことをやってます。この人達はセキュリティーゲートで来場者を監視するのが仕事です。ちなみに手前の迷彩服のようなものを着た人は会場の係員です
●チンドン屋?
日本の展示会と違い、会場内のいたるところで写真のような光景を目にします。チンドン屋のような鳴り物こそありませんが、これは出展者のPR なのです。3~5 人が一組となって会場内を歩いています。
下の写真の上段2 つはまだ普通ですが、着ぐるみも結構歩いていました。2 段目左のドラム缶君はモービル石油のPR。そして、私からグランプリを差し上げたいのが最下段の写真の組です。何のキャラクターなのか私にはよくわかりませんが、とにかくすごい。
そして、皆さんのやる気のなさそうな表情が印象に残りました。
仰天! ローラーブレードを履いた見学者も!
●見学するのもつかれる
見学者は当然のことながら歩いて回るしかありませんが、会場内は広いため結構疲れるのが悩みのタネだと思います。そんな悩みを解決した人が登場しました。写真の人の足元に注目。なんとローラーブレードを履いています。こんな人、初めて見ました。びっくりです。
平らな場所は問題なさそうですが、会場内は意外に段差もあるため、そこはちょっと苦労しそうです。人混みの中で危なくないのかな?
●カタログ集めてどうするの?
展示会見学者の中には、どう見てもその場にふさわしくなさそうな人が時々います。
前回、前々回のCIMT ではあちこちでそのような人を見かけましたが、今回は最終日でやっと発見しました(私がたまたま見かけなかっただけのことだと思いますが)。
大きな荷物をたくさん抱えていますが、中身は(たぶん)各出展者のカタログです。雰囲気からして絶対にこの業界の人ではありません。こんなにカタログを集めて一体どうするのでしょうか? 古紙としてKg いくらって感じで売るのでしょうか? おじさんと何か話をしているようですが、知り合いなのかな?
中国にはいろいろな人がいます。
(文・写真=下村栄司)