「経済のグローバリゼーション化は業界にも対応を求めている」日本フルードパワー工業会が総会を開く
2015年05月31日
日本フルードパワー工業会(会長=梶本一典 CKD社長)が5月14日、都内の東京プリンスホテルで第16回通常総会を開催した。
総会後の懇親会で梶本会長は、「経済動向は、雇用・所得の改善傾向が続く中で原油価格の下落や各種政策の効果もあり、穏やかに回復していくことが期待される。ただし海外景気の下ぶれなどわが国の景気を押し下げるリスクに留意する必要があると判断している。5月1日に日銀がとりまとめた経済物価情勢の展望では今年、来年にかけては潜在成長率を上回る成長を続け、17年度にかけては消費税引き上げ前の駆け込み需要とその反動の影響を受け、潜在成長率をいくぶん下回る程度に原則しつつもプラス成長を維持すると予測している。これは国内にてアベノミクス効果が現れ、今後の成長に向けた各種の投資を行えば先行きは大いに期待できると考えられる。一方、海外経済動向をみると、米国経済は家計部門の堅調さが企業部門を牽引することによって引き続きしっかりとした成長が見込まれる。しかし、欧州経済はECBによる金融緩和策などを背景にドイツを中心として明るさが見えつつあるが、ギリシャ情勢を含む債務問題など依然としてリスクが見え隠れしている。そして中国経済については、依然として中小企業の過剰設備問題や不動産の低迷などを背景に成長率は鈍化するペースが速まってきており、世界経済に及ぼすマイナスの影響も大きいのではないかと考えられる。わがフルードパワー産業の本年度の動向をみると、全体的には空気圧機器を中心に明るさが期待されているが、油圧機器は先述のとおり中国の不動産市況の低迷を背景に建設機械の過剰在庫問題などがあり、いくぶん厳しさが予想されている。経済のグローバリゼーション化はいやおうなくフルードパワー業界にもその対応を求めている」と述べた。
来賓を代表して佐脇紀代志経済産業省製造産業局産業機械課長が、「元気のよい業績を上げていられる企業が多く、この傾向をさらに力強いものにしていくために政府としてもしっかりと対応をしていかなければならないと思っている。リスク要因は考えるとキリがないが、中国をはじめ機械をしっかり使っていく、という需要がどんどん広がっていくというのは間違いない。時間の差こそあれ、市場の広がりは確実なものであるから、日本が今まで蓄えた技術を活かして、いかに市場を獲得していくか、を見据えて皆様のお手伝いをしていきたい。油空圧のアプリケーションでもあるロボット、非常に広い意味でのロボットだが、ファクトリーオートメーション、建設機械も含め、ある種の知能化要素を備えながら広く市場に行き渡っていく現状において、応援していきたい」とあいさつをした。