メカトロテックジャパン(MECT)2015主催者企画展示 “燃えない”“割れない”最新Mg加工に決定

KUMADAIマグネシウム合金
KUMADAIマグネシウム合金
国内最大級の工作機械見本市メカトロテックジャパン2015(以下:MECT2015)を主催するニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏)は、MECT2015の主催者企画展示コーナー「コンセプトゾーン」(※1)で新たな研究で進化したマグネシウム(Mg)2種を加工実演する。Mgは実用金属の中で最も軽く、最も埋蔵量の多い材料ですが、「発火温度が低く発火しやすい」、「成形加工時に割れやすい」という欠点を持っている。

こういった背景を受け、熊本大学は“燃えない”Mg「KUMADAIマグネシウム合金」(※2)を開発した。この材料は、Mgの沸点である1091℃を超えても燃えずに沸騰する性質を持っている。会場ではこの「KUMADAIマグネシウム合金」を使い、切削加工の実演をする。また、独自の金属組織制御技術により塑性加工を可能にした住友電気工業が開発した「AZ91」(※3)のプレス成形加工も披露する。会場内の特設ステージでは「Mgの安全な取り扱い方」についてのセミナーも開催する。

【コンセプトゾーン概要】
◇テーマ:軽量化革命!Mg“燃えない”“割れない”が世界を変える
◇開催場所:ポートメッセなごや1号館内特設会場
◇実施期間:10月21日(水)~24日(土)

●展示内容

Aゾーン“燃えない”が世界を変える
バナーであぶって1000℃以上に加熱しても発火せず沸騰する、熊本大学の河村能人教授が開発したKUMADAIマグネシウム合金を使い、自動車、航空機、鉄道車両に関するオリジナルの切削技術を披露する。

Bゾーン“割れない”が世界を変える
塑性加工にまったく向かなかったMg合金AZ91が、住友電気工業の独自の急冷凝固技術で“割れない”素材に変身。会場では常識を覆す100mmの深絞り技術を披露する。

(※1)コンセプトゾーン
工作機械にまつわる最新加工技術を1号館特設会場で実演展示することで、来場者に少しでも仕事のヒントをつかんでもらい、国内製造業を活性化することが狙い。前回展では「日本の技術を医療で活かせ」と題し、最新医療部品の加工を会場内で実演した。

(※2)KUMADAIマグネシウム合金
KUMADAIマグネシウム合金には「耐熱合金」と「不燃合金」という2種類の合金があり、さらに製造法によって「鋳造合金」と「超急冷合金」の2種類に分類される。米連邦航空局(FAA)が策定したMg燃焼試験に合格し、2014年10月には米ボーイング社と次世代航空機への実装化を目指した共同研究を開始している。

(※3)AZ91
AZ91はマグネシウムにアルミニウムを9質量%、亜鉛を1質量%添加したもの。耐食性に優れているものの加工の難しさから板材は実現されておらず、鋳造材が限定的に利用されていた。住友電気工業が開発したAZ91板材はAZ91鋳造材と比べて強度は1.5倍
以上の380MPa、伸びは数倍となる10%以上を達成。独自の鋳造・圧延加工により板材の開発・量産化に世界で初めて成功した。

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