ジェイテクトが中期経営計画を発表 営業利益率8.0%を目指す
安形社長より2015年3月期の決算状況と16年の業績予想について説明があった。
15年3月期の売上高は1兆3,559億円、営業利益741億円、経常利益793億円、純利益425億円となり、売上高、経常利益は過去最高となった。
安形社長は「中期経営計画を見据えて、積極的かつ戦略的に基盤確立に向けた仕掛けや不良資産の処分を実施した」と説明した。
中期経営計画(2015~2019年度)は「No.1&Only One~より良い未来に向かって~」をスローガンに掲げ、19年度は、営業利益率8.0%、設備投資額750億円、減価償却率650億円、研究開発比率4.0%、ROA5.0%以上とする数値目標を示した。
事業別の中期目標は以下のとおり。
●自動車部品事業「自動車用ステアリンググローバルトップシェアを維持」
重点取組として、競争力のある商品の市場投入など商品力強化、グローバル商談対応力・フロントローディング活動強化などのビジネスモデルの変革、メキシコ拠点設立や北米下流アシストEPS展開に伴う生産再編など供給体制を整備するなどして、18年度のステアリング市場シェア25%を目指す。
●軸受事業「グローバル市場の伸びに追随し、体質の強化を図る」
国内外工場を再編し、多品種・小ロット対応ラインを強化し、生産力や生産技術力を強化。商品力強化の事例として、更なる低損失軸受けを開発するとした。また、軸受け事業の長期ビジョンに、自動車軸受は、フロントローディング活動の強化、タイムリーな高付加価値商品の投入などや、産機市販軸受では、ソリューション提案型ビジネスモデルの確立、ブランド力を向上させ、グローバルシェアを拡大するとした。
●工作機械メカトロニクス事業「お客様から信頼される真の総合生産システムサプライヤ」
商品別方針では、研削盤についてはダントツの精度・生産性で世界シェアNo1 を維持、切削機/MCは精度と難削材加工技術で高付加価値分野に展開、制御/システムは最適システムで業界トップ3を目指すとした。
また、マーケティング強化によるターゲットの絞り込みやアフターサービスのビジネスモデルを確立、設計プロセスの標準化など営業力・商品力ともに強化する。省人化や生産方式を見直し、モノづくり改革活動「刈谷ReBORN」による設計リードタイム削減、機械加工の生産性向上、きさげレスの達成などを重点取組事項とした。
安形社長は、「わたしどもは4万4,000人の連結で事業を行っているが、日本人は本体1万1,000人、国内子会社6,000人、海外の子会社2万7,000人、製販合わせて世界140拠点あるグローバルカンパニーだが、グローバル経営人材の発掘や育成に注力する」とし、2015年度からは、個々人の能力強化のひとつとして英語能力教育の拡充を掲げ、組織能力の向上にダイバーシティ推進を行うとした。