【レポート】DMG森精機の「IGA INNOVATION DAY2015」 世界最大の工作機械展示場に生まれ変わる
DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が7月22日(水)~25日(土)の4日間、同社伊賀事業所で「IGA INNOVATION DAY2015」を開催し多くの来場者で賑わった。今回は、リニューアルを行い世界最大となる工作機械の展示場を初公開したということもあり、8,900名を上回る来場者に会場は連日活気に溢れていた。
今回「IGA INNOVATION DAY2015」を開催するにあたり、21日にプレスデーが開催され、展示会に先立ち記者発表が開かれた。概要をレポートする。
マシニング・ソリューション・プロバイダを目指したい

森社長は会見で、「全世界で20箇所の生産拠点がある。フロアスペースとして1万8000台の生産能力がある。今年は1万2000台程度を生産する予定である。昨年が1万1000台強だった。2020年には効率を高めながら、1万8000台を達成したいと思っている。その中でもインターネットを駆使し、社員教育の充実をさせ、精密なものづくりを行っていく。われわれの調査によると、35万件ほどお客様がいらっしゃる。そのうちの半分はすでにわれわれの機械を使っていただいている。いかに機械を止めずにサービスをしていくかが重要になっていく」と説明、DMG MORIとしてひとつのグループになった動機については、「世界で開催する見本市ではたくさんわれわれの機械を見せるし、大勢のお客様が来られるが、とてもゆっくり見られたものではない。1日~2日かけてじっくりとテスト加工をしてもらい、最新の測定機で測定し、お客様と一緒に加工方法を開発していくという狙いがある」とした。

顧客と一緒に工程開発を行っていく

今回の展示会では、7機種を世界初公開しており、計58台の工作機械を展示しているが、「最終的には80台ほどにもっていきたい」と森社長。また、自動車、航空機、金型、医療等の成長分野で、機械だけでなく、ありとあらゆるノウハウを提供するエクセレンスセンタを設置している。産業別にアプリケーションエンジニアが常駐し、全世界の顧客に対応できる人材を設置した。
今回、面白いと思ったことはツールルームを充実させたことだ。興味深いのは、「日本ではないような工具」を取り揃えていたこと。森社長いわく、「特にヨーロッパでは複合ツールというのがある。機械の複合化とはよく聞くが、工具の複合化も大変進んでいる」のだそうで、小洒落たセレクトショップのようなイメージをしているという。これについては、「今までわれわれはスーツを売っていたんですが、ついでにお洒落なネクタイやアクセサリー等も売りますよ、という感じです。このショールームに来ていただければ、最新の加工トレンドが分かります」と述べた。
さて、「IGA INNOVATION DAY2015」は、フロアスペースを拡張して全面リニューアルを行い世界最大の工作機械の展示場生まれ変わったグローバルソリューションセンタに新機種11台を含む計58台の最新鋭の工作機械を展示し、多くの機械でデモ加工を行った。豊富な見所を産業別に分けていたこともあり、分かりやすい展示となっていた。また、会場内が広くなったこともあり、ゆっくりじっくりマシンを見ることができた。
今回は、5軸でのレーザ金属積層造形を可能にするAM(アディティブ・マニュファクチャリング)ヘッドを搭載したレーザ加工機「LASERTEC 4300 3D」や4月から営業を開始したDMG森精機ワシノブランドの新デザインモデル「A-18S」、「G-07」、機能やデザインを一新した「ECOLINEシリーズ」などが世界初出展の機械であった。
