DMG森精機 中国市場でのシステムソリューションを強化 天津工場にロボット自動化システムを導入
DMG森精機が、同社天津工場に横形マシニングセンタNHC 6300のロボット自動化システムを導入し、8月4日(火)~7日(金)に開催した天津オープンハウスで初披露した。
同社では、「近年、中国では、人件費や物流費が高騰しており、生産性が高く、投資価値のある製品が求められており、DMG森精機は機械単体だけでなく、より生産性を高める自動化システムと機械を中国のお客様にご提案するシステムソリューションを行っています。今回新たに導入したNHC 6300のロボット自動化システムは、24時間稼動や省人化が実現できるため、生産性向上を通じて、高い収益性および投資効果が見込めます」とコメント。
天津工場では、自動化による自社の生産効率の向上を図るとともに、実際の生産に使用されている設備機の一例として、NHC 6300のロボット自動化システムだけでなく、NHX 10000のLPP(リニアパレットプール)システムや最新鋭の大型5軸加工機DMC 340 Uのパレットチェンジャ仕様も、自動化の一貫として見学できるようになった。
■横形マシニングセンタ NHC 6300
NHC 6300は、拡大する中国市場に特化して開発した高剛性と高速加工を実現する50番テーパ専用設計の横形マシニングセンタ。4月に開催されたCIMT2015で世界初披露し、自動車産業を中心に多くの分野の顧客に好評を博している。天津工場で生産を開始しており、納期短縮だけでなく、物流費の削減や為替によるリスク分散も図っている。NHC 6300は、「重切削加工に大きな威力を発揮する1台」をコンセプトに開発しており、頑丈な高剛性ベッドを採用。高剛性な構造により、加工時に発生する振動を最小限に抑えることで、安定した重切削加工を可能にした。重切削に最適な50番テーパ主軸は、構造解析により最適化し、主軸軸受内径を大径化することで高い剛性を実現するとともに、主軸外径をコンパクト化し、ワーク・治具への接近性が向上している。また主軸モータのステータとベアリング周囲に冷却ジャケットを配し、発生する熱を効率よく冷却することで、精度の高い加工を実現する。外観は洗練されたカバーデザインであると同時に、加工エリアや段取りステーションへの接近性が良い設計となっている。さらに、保守性を高めるため油圧ユニットや各機器類をアクセスしやすい場所に集中配置するなど、さまざまな工夫を随所に取り入れている。