「新体制のもと100周年を迎えるOKKに期待」 2015年度OKK会を開催
2015年度のOKK会が8月19日(水)、兵庫県内の伊丹シティホテルで開催された。
冒頭、OKK会会長の兼松KGK千葉靖雄社長が、「今年10月に創業100周年を迎えるOKKは大変な歴史がある。この100周年を迎えるにあたり昨年は新M工場を完成させ、国内の生産基盤の拡充を図られている。さらにこの節目の年に宮島新社長が就任された。宮島社長は設計一筋で来られた方である。“現場”、“現物”、“現実”の三現主義を主張されていると聞いた。
社内体制においてもアフターサービス体制を強化し、マーケティング戦略においても営業企画部を新設され中長期的な営業推進戦略を練っている。アフターサービスの強化においては毎年1割増員ということにも取り組んでいる。一方、機械保証についても3年保証という非常に画期的な方針も出されている。この若い新風を吹き込んで次の200年企業の礎を築いて“重切削と高剛性のOKK”というブランド力をさらに高めていただきたい」とあいさつをした。 続いて、大阪機工 井関博文会長があいさつをした。
この中で井関会長は、「4月1日から新体制となった。昨年秋には主力工場の建て替えも完了し、ここにきてようやく環境が整った。今年は100周年という大きな節目の年になる。新しい時代は新しい体制でスタートさせたいという思いもあって、次の世代にバトンを渡すことにした」と述べたあと、参会者に感謝の意を表した。
OKKを代表して宮島義嗣社長があいさつ及び事業報告を行った。宮島社長は、「この4月よりバトンを受け継いだ。この創業100周年を機に迅速かつ柔軟に対応して次の時代の礎をつくっていきたい。われわれメーカーの責務としてはお客様に満足して頂ける製品、サービス、それを提供することが最大の責務である。現状は周囲の環境等が良くなってきているが、これに甘んじることなく、さらなる上を目指して活動していきたい。私は入社以来30年間、技術畑で過ごしてきた。そこで培ってきた技術者としての知識と経験を存分に活用して、これにこだわった製品づくりに注力していきたい。昨年は新しい工場も完成し環境も整ってきた。しかし、技術や品質は一朝一夕でできるものではない。これからものづくりの基本をもう一度見直してその部分にわたしが培ってきた経験を活かして技術と品質をさらに向上させていきたい。具体的には新しい機械をどうしていくのか、市場のニーズはどうなのか、ということから始まって、生産体制、特に部品の物流システムを含めたところを今以上により良くし、アフターサービスについてもより拡充して強化していきたい」と力強くあいさつをしたあと、事業報告を行った。
全ての事業基盤の強化・拡充に注力!
事業報告では、「好調な個人消費と雇用の増加傾向にささえられ、堅調に推移した。欧州についてはギリシャの債務問題等不安要素はあるが主要国の消費を中心に緩やかながらも回復傾向を維持、アジアにおいては減速感を伴いつつもスマホ関係を中心として一定の成長を維持した。一方、国内においては円高是正に加え、政府の対策等もあり、設備投資意欲は引き続き好調であり、引き続き回復基調にある」と説明した。新機種については、「昨年8月に量産部品加工市場をターゲットに高速性、高能率性、コストパフォーマンスに優れた横形マシニングセンタ『HMC500』を新たに開発、昨年9月にシカゴで開催されたIMTSではこの新機種を含めたマシニングセンタ5機種を展示し、また、航空機部品を中心とした難削材、自動車関連金型および鉄道鉄系加工に関し高剛性な機械で高能率加工を提供するための立形マシニングセンタ『VM660R』、『VM940R』、横形マシニングセンタ『MCH5000R』の3機種を開発し、昨年開催されたJIMTOF2014では、これら新機種を含めたマシニングセンタ6機種を出展した」とし、国内外において拡販につとめたと述べた。
その結果、売上高は254億1300万円(前年度比15.2%増)、経常利益は15億6000万円(同100.6%増)、最終当期純利益は11億9100万円(129.8%増)となった。地域別では国内において、政府の政策効果により102億7700万円(同5.9%増)、海外については自動車、航空機向けの販売が好調を維持し、アジアにおいては中国での自動車向けが順調に推移し、138億7600万円(同30.2%増)となり、海外比率は57.5%となった。
当期の業績目標については、事業基盤を強化・拡充することを目的とした『NEXT STAGE100』の最終年度として、①営業基盤の拡充、②生産基盤の拡充、③収益構造の変革、④技術の革新、⑤人材の強化――を着実に実践し、成果を上げるよう取組を推進していくとした。また、当期の業績目標を売上高275億円、経常利益16億円、最終純利益12億円を計画している。宮島社長は、「10月1日に大阪機工株式会社からOKK株式会社となるため、本年を新たな本年を次の新たな100年の始まりの年と位置付け、未来を展望した積極的な事業展開を図っていきたい」としめくくった。EMO MILANO2015に新機種登場!
大西賢治取締役上席執行役員技術本部長から新機種の発表があった。製品名は5軸制御横形マシニングセンタ『HM―X8000』。
大西取締役は、開発の意図を「中大物ワークを搭載することができ、ワークの材質を問わない、切削能力を高めた5軸マシニングセンタとして商品化した。主軸の方向も立/横方向にセットでき立形、横形の使用で加工が可能。ワーク側を傾斜させないため、制度的に安定している」と説明した。市場については、「ヨーロッパや北米から、中、大物ワークの加工ができる5軸機の引き合いが多い。そのワークの中でも航空機部品を中心とした中大物加工の高能率化が求められている」としたうえで、「チタンやインコネル、鉄系の一般部品加工においても、複雑な形状加工に対応できる5軸機により工程集約が可能になる」と市場ニーズへの対応を示した。この5軸市場において、「OKKブランドを浸透させ、OKKイメージの5軸期を確立する」と力強く述べた。なお、この新機種は、今年10月5日から開催されるEMO MILANO2015に出展する。
続いて右田武己 営業本部工作機械営業部部長からOKK会の新たな取り組みについて説明があった.この中で右田部長は、「今年OKKは100周年。新たに記念プレートをつくった。7月1日受注分から3月までの納入分に対して対応する」と100周年特別記念プレートに触れたあと、「OKK会の皆様とともにさらなる成長を目指して企画をしている。各地域別にOKK会の皆様と勉強会を開き、新たな新規開拓のための取組み等を皆様と一緒に考えていきたい」とした。OKK役員紹介のあと、第二部の講演会に移った。「ICTで変わるものづくり 3次元積層造形技術を中心に」をテーマに嶋崎 直 日刊工業新聞社大阪支店編集局編集局長が講演をした。第三部の懇親会は、田村博之 ユアサ商事常務取締役工業マーケット事業本部長の乾杯の発声で開宴した。