展示規模は前回展比9.6%増の1915小間! 今年国内最大の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2015」がいよいよ開催!
ニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏)が主催する国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2015(MECT2015)」が、10月21日(水)~24日(土)までの4日間、名古屋市港区のポートメッセ名古屋で開催されるに先立ち、9月28日にウインクあいち(名古屋市)で記者発表を開いた。
今回の展示規模はリーマンショック前の2007年展に次ぐ1915小間で、前回展を9.6%上回った。「これは国内工作機械見本市としては今年で最大規模となる」と樋口社長。出展社数は444社・団体。うち全出展者の15.5%にあたる69社が初出展会社となる。出展製品では、少なくとも255社から518点の1年以内に発表された新製品が展示される予定。海外からの参加は25カ国・地域を数える。
テーマは「好機到来。ものづくり技術×最新マシンで次代を切り開く」史上2番目の規模で開催
今回のテーマは「好機到来。ものづくり技術×最新マシンで次代を切り開く」。樋口社長は会見上で、「2007年に記録した史上最高の小間数に迫り、2番目の規模で開催する運びとなった。私どもは、毎回、他にはない展示会をやりたいという思いが強く、実演加工を会場内で行うのがひとつの呼び物にもなっている。今回もコンセプトゾーンというコーナーをつくっており、今回は一般的には馴染みがないかもしれないが、“マグネシウム加工”をテーマに企画している。マグネシウムというと“燃えてしまうのではないか”という火災の可能性が懸念される材料のひとつだが、マグネシウム合金を使った“燃えない・割れない”を前提とした実演加工を予定している。特に複合加工機を使った切削加工では、燃えてしまうのではないか、といわれているが、アルミよりもさらに軽いので、今後の軽量化において注目される技術のひとつであろう」と、最新技術動向に触れた。
その他の企画として、日本工作機械工業会では会期中の会場内で「工作機械トップセミナー」を開催する。全国からは大学生が約400名、最終日に会場の見学をする予定。また、愛知県主催のロボットセミナーの開催もされる。
メカトロテック2015の共催者である伊藤高潤 愛知県機械工具商業協同組合 理事長は、今回の展示会について、「微力ながら、たくさんの来場者を集めていきたい。来場者にとって有益な技術情報伝達の展示会となりますよう注力していく」とコメントしている。
企画展示 1号館コンセプトゾーン テーマは「軽量化革命! Mg ~“燃えない”“割れない”が世界を変える~」
マグネシウム(Mg)は比重がアルミの3分の2、鉄の4分の1と実用金属の中で最も軽い長所を持ちながら「発火温度が低く燃えやすい」「成形加工時に割れやすい」などという加工上の難点がありました。もしこの難点が克服できたら――?自動車や航空機など輸送機器では大幅な省エネルギーが可能になり、ノートパソコンや携帯電話などIT機器はより軽く使いやすくなるかもしれない。常識を変える“燃えない”と“割れない”2種類のMg新合金の特徴と加工技術を紹介する。実用化に向け技術革新が進む軽量化材料Mg合金の今を会場で見学できる。
●加工実演
Aゾーン “燃えない”が世界を変える
・加工実演:自動車部品・ターボチャージャー/航空機部品・ファンブレード
・協力:熊本大学・河村能人教授/不二ライトメタル/オークマ/三菱マテリアル/Aiソリューションズ
・実演時間:10:30~/12:00~/13:30~/15:30~/17:00~(23日のみ)
1000℃以上に加熱しても発火せず沸騰する「KUMADAIマグネシウム合金」を使い、自動車、航空機部品の切削実演を行う。また会場には切削加工で製作したMECTオリジナル鉄道車両を走行展示する。
●Bゾーン “割れない”が世界を変える
・協力:住友電気工業/アイダエンジニアリング
・実演時間:11:30~/13:00~/14:30~/16:00~/17:30~(23日のみ)
住友電気工業が開発した独自の急冷凝固技術で実現した“割れない”「AZ91」で成形加工を披露する。会場では常識を覆す深絞り加工でアタッシェケースを製作する。
■“Mgをもっとよく知る”技術セミナー
1号館コンセプトゾーン内で協力各社による技術セミナーを開催する。予約は不要。直接会場に行くこと。
※上記セミナーは予告なしに時間・内容の変更、中止が生じる場合がある。
■特別講座「Mgの安全な取り扱い方」
10月23日(金)15:00~16:00
・「Mg災害事例からみる防止対策」 (独)労働安全衛生総合研究所 八島正明博士(工学)
・「Mg加工現場のノウハウとは」 (一社)日本マグネシウム協会 小原久専務理事
Mg加工の注意点や災害防止策を学ぶ特別講座をコンセプトゾーン内セミナーステージで開催する。専門家がMgの安全な取り扱い方を解説する。予約不要。直接会場へ行くこと。
セミナー講演
初日、21日(水)のテーマは「クルマづくりのいま」。ニッポンのクルマづくりのいま、そしてこれからについて、トヨタのエンジン製造の中枢を担う上郷工場兼下山工場長の花井幹雄氏が、ホンダの世界拠点に対する金型戦略の企画推進役である田岡秀樹氏が、思う存分語り尽くす。
2日目、22日(木)のテーマは「航空機産業、次の一手」。ボーイング・ジャパン社長のジョージ・L・マフェオ氏が、航空機業界の最新動向、日本のサプライチェーンについて語る。また、ボーイング製航空機の機体製造を手掛ける企業の1社、富士重工業が航空機製造に関わる“新”生産技術の一端を紹介する。
3日目、23日(金)のテーマは「日本発、新素材が世界を変える」。日本で生まれ、さらなる飛躍が期待される「KUMADAI不燃マグネシウム合金」と「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」。両素材の第一人者が現在の開発、技術トレンドを通して、今後製造業が目指すべき「軽量化」技術の可能性を示す。
・開催場所:ポートメッセなごや交流センター3F会議ホール
・開催時間:10月21日(水)~23日(金)①13:00~14:00②14:30~15:30
・聴講料金:無料
・定員:各セミナーとも400名(先着順)
●講演内容
10月21日(水):テーマ「自動車」 クルマづくりのいま
講演①:13:00~14:00
「トヨタの生産現場におけるものづくり・人づくり
~日本でものづくりを継続し、年輪的成長をするための取組み~」
トヨタ自動車 常務理事 上郷工場長兼下山工場長 花井 幹雄氏
講演②:14:30~15:30
「ホンダの真ん中には「人間」がいる!
寄居プレス工場の世界最速生産スピードと金型工程短縮+軽量化STRIP Body」
本田技研工業 四輪生産企画統括部 設備金型企画推進室長 田岡 秀樹氏
10月22日(木):テーマ「航空機」 航空機産業、次の一手
講演①:13:00~14:00
「ビジネス環境とサプライチェーン 日本とともに民間航空機を製造」
ボーイング・ジャパン 社長 ジョージ・L・マフェオ氏
講演②:14:30~15:30
「航空機製造の新技術により新しい価値を創造し続ける富士重工業~さらなる成長を目指して」
富士重工業 航空宇宙カンパニー 生産技術部 部品生産技術課 担当 木村 志郎氏
10月23日(金):テーマ「軽量化」 日本発、新素材が世界を変える
講演①:13:00~14:00
「世界が注目!軽い・強い・燃え難いKUMADAI マグネシウム合金」
熊本大学 先進マグネシウム国際研究センター長 河村 能人氏
講演②:14:30~15:30
「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)による自動車・航空機の軽量化」
東レ アドバンスドコンポジットセンター 所長 古川 正人氏