皆で力を合わせて頑張っていきたい 日本金型工業会東部支部
日本金型工業会東部支部(支部長=牧野俊清氏・長津製作所会長)が5月26日に東京・五反田・ゆうぽうとで17回通常総会を開催した。
総会終了後、川田康夫トヨタ自動車常務役員が「トヨタ自動車のモノづくり革新と金型の果たす役割」をテーマに講演し、続いて懇親会に移った。
懇親会の中で牧野支部長は日頃の感謝の意を表したあと、「最近、ものづくりの観点からですが、トヨタが海外展開をしなければならなくなるかもしれないというのと、円高対策へのメッセージがメディアに伝わらなかったのは残念な思いです。ごく最近の工業統計が出てきましたが、金型で働いている人数は2003年から2005年までは14%増加していましたが、その後2008年は元にもどって14%減でした。厚生年金の加入の数を見てもここ数年は14%同じように減少しています。非常に厳しい状態です。このような中で、非常に残念なことではありますが、金型工業会西部支部の1/3が脱会されたということです。今、われわれが厳しい環境の中ですから、皆で力を合わせて頑張っていきたいと思っています」とあいさつした。
ものづくりが元気になるには金型業界の力が必要
来賓を代表して佐々木啓介経済産業省製造産業局素形材産業室企画官が、「去る3月11日、大変な被害が発生しました。被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。私も被災地に出向きました。印象に残ったのは市内を歩いておりますと、ありがとう、頑張ろう、という張り紙が至るところに貼ってありました。それを見て胸がいっぱいになりました。被災地の皆様方含めて日本全体が元気になるためには、やはりものづくりの力を欠かすことはできないということ。ものづくりが元気になるには、本日集まりの金型工業会の皆さまが元気にならなければ日本全体が元気にならないと確信しております」とあいさつした。
続いて増田仁経済産業省関東経済産業局産業部長が、「私ども今年度も中小企業の皆さまの戦略的基盤技術の開発、いわゆるサポインをやっております。全国で562件、関東で268件の応募がありました。その中で、金型は20、これは立派な数字だと思います。この中で審査を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。現在、東部金型工業会の天青会の皆さま、金型イレブンということですが、海外のアウェーでしっかりPRしてください。ジャパンブランドを、日本の金型の良さをご理解いただけると思います」とあいさつした。
中里栄常務理事が、上田勝弘日本金型工業会会長のあいさつを代読した。この中で、「今回の東日本大震災は日本経済に大きな打撃を与えました。とりわけ製造業の被害は大きく、金型関連産業にも直接的、間接的に大きな影響を与えております。日本金型工業も金型の全国団体として新しい時代の新しいスタイルの団体として積極的な提案をしたいと思っています。そのためには全国一枚岩として団結して正会員・賛助会員の力を結集したいと思いますので、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。しかし、残念ながら、このような状況の中で西部支部の一部に分化活動がありました。さらに別団体を設立して、その団体名を意図的に日本金型工業会西部支部とまったく間違いやすい同じ名称を名乗っております。理解に苦しみますが、半数以上の西部支部会員の皆さまは、今の状況を踏まえ残られました。今後は残られた会員の皆様ととも風通しのよい活動ができることで、魅力ある工業会活動を推進してまいります。どうか東部支部の会員・賛助会員の皆さまにおかれましてはご理解いただき、今後とも工業会運営にご協力くださいますようお願い申し上げます」と述べた。
牧野二郎牧野フライス製作所社長の乾杯の発声で和やかな歓談がはじまり、宴たけなわのころ、散会した。