「MECT2015」の見所はココだ! 注目各社の新技術&目玉製品を要チェック!
2015年10月18日
写真は前回の展示会の様子
10 月21 日(水)から10 月24 日(土)までポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「メカトロテックジャパン2015(通称MECT) 」(主催=ニュースダイジェスト社)は、今年最大級の工作機械見本市。今回も各社の見所満載といったところである。製造現場ドットコムでは一足早く注目メーカー各社の新技術や目玉製品を一挙公開する。
(アマダ/アマダミヤチ、イワタツール、栄工舎、オーエスジー、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、北川鉄工所、ジーベックテクノロジー、ジェイテクト、清和鉄工、ダイジェット工業、大昭和精機、DMG森精機、ナガセインテグレックス、日進工具、不二越、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、三菱マテリアル、安田工業、ヤマザキマザック、ユキワ精工、碌々産業)
「トータル・プロセス・イノベーション」をテーマに全5機種を展示
●アマダ/アマダミヤチ
今回、アマダグループでは、「トータル・プロセス・イノベーション」~-全工程視点での効率の良いモノづくりのご提案~をテーマに、全5 機種を展示。VPSS 3i を基軸にAMNC 3i 搭載の最新鋭マシンによる全工程視点での効率の良いモノづくりを提案する。注目はアマダが提唱する近未来工場「V-factory」。今回は最新ソリューション「VPSS 3i+AMNC 3i 」のデモンストレーションを行い、工場内の情報とモノの流れを具体的に紹介する。注目の出展ソリューションは、①ファイバーレーザ複合マシン LC-2512C1AJ、②全自動曲げ加工システム EG-6013AR、③ファイバーレーザ溶接システム FLW-4000AJ、④YAG レーザハンディ溶接機 YLW-400MT、⑤3 次元ファイバーレーザ加工機 ML-7350DL-3D。新製品は「トグロンシャープチャンファー」。1穴0.2秒で40,000穴以上加工可能な工具も展示
●イワタツール
HRC40~72の焼入れ鋼に穴があく「トグロンハードシリーズ」をはじめ、1穴0.2秒で40000穴以上加工可能で、ステンレス・調質鋼等の安定加工も出来る「GPドリル」<特許取得>は見所。また新製品「トグロンシャープチャンファー」、高速面取工具「トグロンマルチチャンファー」も展示する。焼き入れ鋼に30Dまでの貫通穴加工ができる「トグロンハードロングドリル」も注目したい。3枚刃設計で真円度、円筒度、面粗度が非常に優れ、条件によりH7以上の精度も可能だ。今回「高硬度材、穴あけによる金型製作工程短縮、PCD、CBN、小径工具について」のワークショップも実施。加工実演を実施予定の①新製品「トグロンマルチチャンファー」高速面取り加工 ②「GPドリル」1穴0.2秒での高速穴加工、③「トグロンハードロングドリル」HRC60の焼入れ鋼に30Dの貫通穴加工は必見。マニアックな切削工具がズラリと並ぶ!
●栄工舎
マニアックな切削工具メーカーとして有名な栄工舎。同社の一押し製品は、「超硬ソリッドリーマ シャンクスルークーラント」と、CNC自動旋盤に最適のシャンク径&全長を設定する「自動旋盤用カッター」。「超硬ソリッドリーマ シャンクスルークーラント」は2種類ある。TiAlNコーティング「CSGR-A」の特長は、シャンクスルーの採用で切削速度従来のコーティングリーマの約2.5倍という高能率加工を実現した。一方、水素フリーDLC「CSGR-DLC」は高硬度Hv6000 以上を誇る。耐熱温度も550°と耐熱性も向上し、アルミ、非鉄等に抜群の耐用着性を発揮した。薄膜で切削性を損なわない。「さすがは栄工舎ならでは!」とマニアを唸らせるユニークな工具がブースで拝見できるチャンスだ。人気の「Aブランド」に新製品が登場! チタン合金加工用エンドミル「UVX-TIシリーズ」も!
●オーエスジー
オーエスジーは、最新技術を駆使し、高性能工具をラインナップした「Aブランド」の新製品や、航空機産業をはじめ様々なものづくりで注目されているチタン合金加工用エンドミル「UVX-TIシリーズ」、そして、重切削中に起こりやすい工具の抜けを防止する先進的なシステム「OSG-HAIMER Safe-Lock & Power Clamp」が新登場し、焼ばめ装置の実演を交えて紹介する。他にも「OZTツールプリセッタ」も展示。また、「チタン合金・切削熱を抑制する加工方法の提案」をテーマに10月24日(土)13:00~13:40、会場内にある交流センター第三会議室にて、テクニカル・ワークショップを開く。難削材と呼ばれるチタン合金の加工に対し、「切削熱の抑制」をテーマに攻略方法を探る。オークマの先進技術を生産力の向上に! 国内初披露のマシンも!
●オークマ
オークマでは自社ブースに4台、コンセプトゾーンに1台、合計5台の製品を出展する。中でも自社ブースの2台は国内初披露の新製品。気になる新製品は、φ500×H400㎜までのワークが削れる新5軸制御立形マシニングセンタ「UNIVERSAL CENTER MU-4000V-L」と、φ760㎜まで削れ安定加工に優れた新立形CNC旋盤「V760EX」。また、生産現場に役立つ多彩なアプリケーションとオペレータ毎にカスタマイズできる操作画面を備え、15インチ操作盤の機種にも適用拡大した新世代知能化CNC「OSP suite」もPRする。同社では「各種加工実演も実施いたしますので、ぜひ弊社ブースにお立ち寄り下さい」とコメントしている。
リアルな重切削と安定性! 加工の本格派マシンが並ぶ!
●OKK
OKK機の特長を受け継ぐ『超重切削加工機』「MCH5000R」と、多様なワークにも対応できる削りにこだわった『加工の本格派マシン』「VM53R」を展示する。「MCH5000R」は、剛性箱形構造を採用して剛性と吸振性を高め、各送り案内面は精度と剛性に優れた角形すべりガイドで、コラム前側の案内面はワイド化して静圧を付加したハイブリッド摺動面を採用し、優れた運動性能で長時間の精度維持を可能にしている。「VM53R」は、主軸トルクを最大限に活かすため、主軸軸受に大径ベアリングを採用し、高い主軸剛性を確保。また、サドル・テーブル・コラムのリブを適正配置するとともに、肉厚を20~30%厚くし、加工反力を確実にサポートすることで、安定した切削を提供する。メインテーマは「研削革命」 総合砥粒加工機メーカーならではの実演も見所!
●岡本工作機械製作所
今年で80年を迎えた岡本工作機械製作所は『研削革命』をメインテーマとし、同社が取り組んでいる高能率研削加工の3要素「高剛性マシン」「切れるといし」「切れる研削液」のコラボレーションによるパフォーマンスを紹介する。今年7月に弊社安中工場で開催したオープンハウスで「驚異の研削能率、従来比10倍の加工」を実演して好評を得たので今回MECT2015でも同様の展示方法を採用したとのこと。新シリーズのCNC精密平面研削盤「PSG84CA3」で高能率研削の実演、「精密成形研削盤UPZ315Li」で超精密研削の実演、「精密複合円筒研削盤UGM360NC」ではサイクル運転での展示をする。同社では、「世界で唯一の総合砥粒加工機メーカーでしかできない実演を会場でご覧いただきだい」とコメントしている。様々なカスタマイズ商品を出展! 世界初のサーボモータ旋削機能付きのNC円テーブルも!
●北川鉄工所
今回、北川鉄工所は様々なカスタマイズ商品を出展する。旋削NC円テーブル「DS250」は、世界初のサーボモータ旋削機能付きのNC円テーブルである。サーボモータにて旋削が可能な最高回転数1000min-1を実現した。それにより、様々なワークに対応でき、イナーシャの変化に対しても強い構造となっている。また、同サイズの割出台としても使用可能で、旋削を使用しない場合、ゆりかご治具を変更することも可能である。さらに、本機を3軸M/Cと組み合わせることで安価で複合加工が可能になり、省段取り、治具費の削減、工程削減を実現する。この他にも、デザインチャックの自動車部品加工ラインなどを展示する。北川鉄工所は「お客様のご要望にお応えし、高度な把握技術を提供します」とコメントしている。
バリ取り・研磨の自動化・効率化を提案
●ジーベックテクノロジー
同社独自のセラミックファイバーを用いたバリ取り・研磨自動化用ツール『XEBECブラシ』は、現在様々な業界で採用されているが、特に自動車業界では企業規模の大小を問わず、多くのユーザーに高い評価を得ており、今回のメカトロでは自動車部品に特化し、エンジンやミッションの採用事例を中心に実際の採用事例や改善提案を紹介してくれる。また、「XEBECブラシ 表面用」を使用中のユーザーには嬉しいお知らせとして、新製品「XEBEC自動調整スリーブ」も新登場! 手作業によるブラシ突出調整作業を自動化し、工具長補正・切込み補正を不要にする。なお、10月23日(金)11:00~11:40まで交流センター3階にて「マシニングセンタでのバリ取り・研磨自動化」をテーマにワークショップを行う。独自の要素技術でユーザーの製品単価低減に寄与するギヤスカイビングセンタ「GS300H(e500H-GS)」を出展
●ジェイテクト
ジェイテクトは、工作機械メーカーでありながら自動車部品サプライヤーでもある優位性を生かし“顧客目線を持つメーカー”ならではのソリューションを提案。「お客様が抱えるお困り事を解決すべく、グループ各社の最新の要素技術、製品の展示を通してトータルサポートできる強みを訴求したい」とのこと。今回は唯一量産ラインで実用化されているギヤスカイビングセンタ「GS300H(e500H-GS)」を出展。既存の工法では、ギヤの小型化や複合化が困難であったが、同社では従来工法に変わる、スカイビング加工の実用化に欠かせない「工具」「CNC制御」「高速回転テーブル」らの要素技術を独自に開発。ギヤの加工工程を汎用横形マシニングセンタ1台に集約することで、複数の専用設備や広い設備スペースが不要となり、顧客の製品単価低減にも大幅に寄与できるようになった。ローダー一体型CNC高速横形ホブ盤「Artis HB056 LS」を初披露
●清和鉄工
清和鉄工では新たに開発したローダー一体型CNC高速横形ホブ盤「Artis HB056 LS」を初披露する。このマシンは益々需要の高まるモーター用のシャフトやマイクロ減速機等に不可欠なm2.5以下の小形〜微細歯車を高精度かつ高効率に量産加工したいという自動車、電機業界の要望をうけて新たに開発したもの(最大ワーク径 Φ50,、長さ300mmまで)。歯車を高速で切削加工する機能と同時にワークの交換、搬送、ストックを迅速に行うべく加工機本体と搬送、ストック部を一体化設計することで従来より飛躍的な加工時間の短縮および省フロアスペースが可能となった。その他の特徴は、①ドライ加工に標準で対応、②オプションにて油性/水溶性加工も可、③Artisシリーズのコンセプトを踏襲した高剛性構造、④Fanuc 0iによる7軸制御など。会場ではローダーを含めたサイクルの実演を行う。高硬度材加工を解決する最新の切削工具群
●ダイジェット工業
ダイジェット工業は、ラジアス形状を採用、平面部の加工でもチップ中心部を使用しないためムシレにくく、ボールエンドミルより仕上げ面粗さが良好な、高精度刃先交換式工具“ミラーボール”用「ラジアスチップGRM形(φ16~φ30)」や、HRC60以上の高硬度材でも安定かつ長寿命に加工できる新材種「DH102」を採用した「QMミル/マックス用ハードチップ&ミラーチップ」を展示。ブース内で新製品のプレゼンテーションを実施する他、好評の座ぐり加工用「タイラードリルTLD形」などを出展。話題の複合新材料「サーメタル」製品も展示する。また、10月23日(金)14:00から、交流センター3F第4会議室において「難削材加工を解決する最新の切削工具」と題し、ワークショップを開講する。「ハイドロチャック・ジェットスルータイプ」や、びびりを瞬時に減衰する「スマートダンパー」を展示
●大昭和精機
BIGの愛称で親しまれている大昭和精機は、複雑なワーク形状、治具の干渉など、複合加工機や5軸加工機におけるチャックの干渉を回避するため有効なハイドロチャックに、口元外径をさらに細くして、先端からクーラントを吐出する「ハイドロチャック・ジェットスルータイプ」を展示する。この製品は、繰り返し精度に優れ、リーマ加工やバニシングリーマ加工、仕上げのエンドミル加工など加工精度を必要とする場合に最適なホルダである。二面拘束ビッグプラスBBT30,40,50。HSK-A63。刃具把握径はφ4〜φ32。最高35,000回転。その他にも深穴ボーリングや長い突き出しによる加工で生じるビビリを瞬時に減衰し、高い防振効果で従来の5〜6倍の加工能力が向上する「スマートダンパー」を展示する。
アジア初出展の「DMC 125 FD duoBLOCK® 4th Generation」など16台の最新鋭工作機械がズラリ!
●DMG森精機
アジア初出展となる5軸加工機「DMC 125 FD duoBLOCK® 4th Generation」やDMG MORIブランドの究極の実用機であるECOLINEシリーズの立形マシニングセンタ「ecoMill 1100 V」など計16台の最新鋭の工作機械を出展するDMG森精機。全ての機械でデモ加工を行う。今回は、DMG森精機ワシノのA 150Y | 18、G 100 | 480や太陽工機のCNC立形複合研削盤PGV-3といったDMG MORIグループの製品も、新デザインコンセプトを採用した統一デザインで出展。専任スタッフが豊富な加工事例やデモ加工を交えた実践的な技術ノウハウを分かりやすく解説してくれる。また、10月24日(土)には出展者ワークショップとして、「DMG MORIの自動化システム」をテーマに同社エンジニアリング部 部長 奥田 崇氏による講演を行う。「超能率」をテーマに新機種「SGC-94」を初披露!
●ナガセインテグレックス
今回のテーマは「超能率」。目玉は、超精密でありながら高能率な加工をも実現する高剛性な超精密成形平面研削盤で、今回は、リーズナブルになった新機種「SGC-94」を初出展する。また、今年のインターモールドで大反響だった“加工能率が数倍向上する”新型クーラント濾過・供給システム「爆削」を「SGC-94」に搭載し、超精密マシンと爆削の組み合わせを実機でのデモンストレーションを行う。さらに、「圧倒的な小物加工」、「究極の回転・割出技術」といった超能率な加工をサンプルワークにて紹介。「超能率」な加工を実現するための、マシン、加工システム、加工事例を多数展示する。高硬度材直彫り仕上げ加工の高品位を実現するcBNボールエンドミルシリーズ・ラインナップが拡大!
●日進工具
金型製作において、切削工程の次にある磨き工程は、自動化が難しく工数のかかる工程だが、この工数を大幅に軽減できれば、納期・コストなどの改善が図れ、競争力のある付加価値を高めることができるとしている日進工具。展示会では工具だけでなく加工技術も合わせて展示・紹介するという。今回は、高硬度材直彫り仕上げ加工の高品位・高能率加工を実現する「cBNボールエンドミルシリーズ」がラインナップを拡大して登場する。cBN焼結体は、超硬合金に比べ約3倍の硬度を持ち、コーティング被膜に匹敵する硬さを持つ工具素材。切削熱に対する強さも持ち合わせており、コーテッド超硬工具にくらべ飛躍的に工具寿命を延ばすことが可能だ。今回、cBNボールエンドミルシリーズに新たな規格が追加されたことで対応する加工領域が広がった。「穴工程スルーで見た最適加工」がテーマ
●不二越
不二越は、「穴工程スルーで見た最適加工提案」をテーマに、新商品のタップと豊富なラインナップの「アクアドリルEXシリーズ」を中心にした穴加工のトータル提案を展開する。長寿命で安定加工の「SGタップ」、コストパフォーマンスが抜群の「Nタップ」をはじめ、「アクアドリルEXフラット」と「SGスパイラルタップショートチャンファ」とのセット加工提案、切削バランスに優れた3枚刃の「アクアドリルEX3フルート」や刃先交換式の「アクアドリルEX VF」など、プレゼンテーションを交えて紹介する。このほか、スカイビングカッタや超高速加工用ホブなどの精密工具も各種展示し、加工現場の多様なニーズに対応してくれる。