「Mastercam X5」 アップデート版をリリース! 

ゼネテック(社長=上野憲二氏、本社:東京都新宿区)は、3 次元CAD/CAM システム「Mastercam」用のポート加工専用オプション「PortExpert(ポートエキスパート)」、および 昨年11月にリリースしたMastercamの最新バージョン「Mastercam X5」のアップデート版をこのほどリリースした。

「PortExpert」は、シリンダーヘッドやインテークマニホールドなどが持つポート形状の高精度加工を簡単なオペレーションで実現することを目的に開発された Mastercamの新オプション。ポート加工は通常、すべての加工領域を同時5 軸によって切削するため加工時に振動が発生しやすく、加工スピードと精度の面に課題が残されていた。しかし、「PortExpert」で生成されるツールパスは同時3 軸がメインとなり、必要な箇所にのみ同時5 軸による加工動作が加わる。このため、同時5 軸のみで加工を行った場合と比較して、「PortExpert」ではスピード・精度の両面を大幅に向上させるポート加工を実現する。

製品価格は60 万円(税別)で、最新バージョンのMastercam Mill Level-3(マシニング用CAM)、および同 Router Pro(NCルーター用CAM)上で動作する。

なお、「PortExpert」のリリースとあわせ、Mastercam X5 のアップデート版 「Mastercam X5 MU1」も同時リリースした。今回のマイナーバージョンアップでは、Mastercam X5 のリリース以降に全世界のユーザーから寄せられたリクエストを中心に、Mastercam の安定性を高め、より快適に操作するための機能改善と強化が多数図られている。

なお、両製品は6 月22 日より開催される「第22 回 設計・製造ソリューション展」にて展示・紹介する。

複雑なポート加工ツールパスを最小限のオペレーションで生成

「PortExpert」では、ポート加工における加工動作のほとんどをシステム側が自動計算するため、複雑なパラメタ設定は一切必要ない。例えば、荒取りと仕上げの設定はモードを選択するだけで加工パターンが切り替わるため、1 回あたりの切り込み量と切削ピッチを設定するだけでツールパスの生成が可能。また、加工はトップ・ボトムの両方向から行うことが可能だが、ツールパスのオーバーラップ量もシステム側が自動的に設定を行うため、段差のない滑らかな仕上がり面が得られる。さらに、5 軸ツールパス作成時に求められるCADデータの編集作業も「PortExpert」ではほとんど必要ない。図形選択はポート加工を行う面を選択するのみで、工具の軸方向を設定するための補助線等も不要。また、加工時に最も懸念される工具とホルダの干渉についても、「PortExpert」では干渉箇所を判別して自動的に干渉を回避するツールパスを生成する。

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