「現場には宝の山がある」日本工作機械販売協会が賀詞交歓会を開く
2016年01月22日
日本工作機械販売協会(会長=冨田 薫 トミタ社長)が1月13日、都内の第一ホテル東京で新年賀詞交歓会を開催した。
あいさつに立った冨田会長は、「2015年の工作機械の受注をここ数年みていると、内需は4000億円ほどだった。それが6000億円ほどということは、省エネ減税などの刺激策のお陰があったと思う。来年以降も様々な減税があるようで期待したい。中期的なことだが、5年から10年のスパンでみると工作機械の外需が1兆5000億から2兆円になると思う。内需は2000億円から4000億円の間で落ち着くのではないか。この数字に対して日工販のメンバーはどう対応していくのか、ということで、日工販の経営陣が判断をするに必要な情報提供とまた戦力アップになるようなものを提供していきたいと思っている。IoTの時代というのはどうしても避けて通れないが、工場の現場にはまだ宝の山がたくさんある。お客様が困っている問題を日工販のメンバーの営業マンが解決策を提供すればまだまだ活躍する余地がある。具体的には、営業マンの教育の強化、情報の提供、各メーカーとの情報交換会等を利用して人脈の確保をしていきたい。」とあいさつした。
「国内は好環境が続いている」
佐脇紀代志 経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつをした。この中で佐脇課長は、「安倍政権になって3年が経過した。マクロの数字からみても着実な歩みを進めていると感じている。昨年の大きな動きでいうと、TPPの大筋合意のほか、法人税減税についても少し前倒しで20%台という決断をしていただき、新しい動きとしては固定資産税が新たな設備投資を促すよう、来年に向けて進めている。昨年の工作機械受注額も非常に力強い数字を出してもらっているが、皆様のご努力で今年も大きく出るのではないかと期待したい。私どももこの良い勢いをしっかりサポートしなければならないと思っている。日工販の皆様方がおられる立ち位置がますます重要になり、商社の機能が期待され、さらには大きなイノベーションのチャンスになると思っている。新しい息吹を積極的に取り上げて具体的なアクションを起こすことが重要である」と期待を込めた。 花木義麿 日本工作機械工業会会長は、あいさつの中で、「昨年の日工会の受注状況だが、昨年の3月に単月あたりで史上最高となる1474億円を記録し、年前半は大変好調だったが、それ以降、中国のチャイナショック等、省エネ補助金の反動等があり若干一服感がでた状況である。しかしながら昨年11月まで27カ月連続して1000億円台を維持しており、高い水準が続いている。昨年の受注だが、まだ12月の速報値が出ていない状況だが(注:1月13日現在)、残念ながら1兆5500億円には届かずおそらく1兆5000億円弱といったところだろう。しかしながら2007年、2014年に次ぐ史上3番目に高いものだった。これもひとえに日工販の皆様方のご支援のお陰だと感謝申し上げる。今年はこの業界の最大イベントであるJIMTOFの開催年にあたる。今回はビッグサイトが拡張され、これまで以上に盛大な会になると思う。工作機械業界では複合技術、知能化技術、スマートマニュファクチュア技術、これらに磨きをかけ、より魅力的な新製品、新技術をユーザーの皆様に提供していきたい。本年の工作機械需要の見通しだが、海外情勢は米国の利上げや原油価格の下落、新興国の経済の減速等いくつかの懸念材料がある。一方、国内は設備投資を後押しする好環境が続いている」と述べた。新規入会企業の紹介のあと、中川貴夫 日本工作機械輸入協会会長が乾杯の発声を行い開宴した。