「IoTを取り入れることで日本の強みを証明する」 日本工作機器工業会が賀詞交歓会を開く
壇上に立った寺町会長は日頃の感謝の意を表したあと、「私どもの数字の発表だが、2015年度の最終予想が1840億円で前年度比5.1%増と予想されている。また、2016年度については1870億円の受注予想が出ているが、先日の日工会の発表では1兆5500億円が掲げられており、そういうことならば私どもは1900億円を超えなければならないと思っている。年初の新聞では経営者の皆様の今年の国内GDPの成長率予想は1.5%と出ていた。また、株価も2万2000円から2万3000円くらいと、久方ぶりに安定的に2万円台を超えるのか、と、久しぶりに良い正月を迎えられたな、と思ったところ、すぐさまサウジの問題が出てきた。1月8日は株式市場が大波乱。これは中国経済が非常に良くないということがベースになっている。日本の株式市場も6日連続で下がった。昨日上がって良かったな、と思ったとたんに今日は下がっているという状態で、なかなか難しい時代を迎えた。昨年、わたしはここで、IoTやインダストリー4.0の話をした。当会でもこの件について勉強会が進んでいる。IoTについては、我々日本は積極的にやらなければいけない、という気がしている。情報発信等をどのようにご提供申し上げたらいいのか、ということを考えなければならない。われわれの提供している部品、ユニット、工具、いろいろなものがどういう状況にあるのか、また、このままいくと、どのような変化をおこしていくのか、という情報を提供していくとはハッキリしているが、それ以外にもまだあるのかもしれない。そういうものを探り、情報をしっかり提供していくということは日本にとっても大変重要なことである。日本の特性としていわれている高品質、安全、安心も、残念なことに最近、廃棄しなければならない肉が売られてしまうという問題が起きた。大変残念なことだが、われわれのところはIoTを使って関連的に起こっていくことがデータとして蓄積されていくということは、日本の強みを証明していける1番の強みではないか」と述べた。
「イノベーションをベースとしたものづくりに大きく挑戦」
来賓を代表して佐脇紀代志 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「今年の幕開けからマーケットの株価を中心とした様々な動きが、ある種の不安をかき立てるような状況になっているが、皆様のお顔を拝見する限り、今年は期待が溢れている感じがしている。ダイナミックにいろいろなことができる年でありますよう、それを支える行政でありたいと思っている。今年は様々な政治行政の動きがある。皆様の懐具合が良くなるような施策もつくっていくという心構えでいきたい。日本のものづくりは、新しい飛躍の時期に来ているのではないかと思う。新しいテクノロジーを使ったものづくりのためのツールも以前よりは使いやすくなったと感じている。皆様方は特に工作機械を中心にこういった機器の類いを売られているが、ITの時代は、最終需要の状況を極力把握できるところにどんどんバリューが寄っていく性質があるようである。こうしたことから皆様方の立ち位置はこれから魅力ある新しいイノベーションをベースとしたものづくりに大きく挑戦していけるポテンシャルの高いのではないかと思う」とあいさつした。北川祐治副会長(北川鉄工所社長)の乾杯の発声で開宴した。
宴もたけなわのころ、黒田浩史副会長(黒田精工社長)の中締めで散会した。