今までにない! ヘアライン模様を曲面形状に転写
2011年06月27日
牧野フライス製作所(社長=牧野二郎氏、本社・東京都目黒区中根)がこのほどヘアライン模様を曲面形状に転写できる3次元CAMシステム 「FF/cam」 のオプションとして、「ヘアライン仕上げ (HLF) 」の販売を開始した。
ヘアライン模様とは、金属の表面処理加工のひとつで、一方向に髪の毛などの細かい傷をつける加工法およびその仕上げを指す。従来、成型品にヘアライン模様を付ける方法(金型内に転写シートを配置して形成する方法・インモールド成形で「IMD」、「IML」)と、金型にサンドペーパーを擦りつける方法がある。
「IMD」は、加飾されたフィルムを送り装置により射出成型の金型内で転写、工程数が少ないことから自動化・高速化が可能で成型品の大量生産に適しており、一方「IML」は、
絵柄などを施したIMLを金型内で成形品に直接貼り付けることで、射出成形と同時に加飾を行う。 工程数が多いことから成形品の大量生産は難しく、少量多 品種生産が適すとされている。
従来法のデメリットは、材料コストがかかるため用途が高級品に限られることがあげられる。転写箔の位置決め、転写不良、フィルム破れ、シワ などがコストに跳ね返り、リサイクル法の適用により回収後の費用もコスト がかかってしまううえ、 ヘアライン模様に再現性がない。
同社が提案するのは、ヘアライン模様を切削加工で金型に付加することに より工程の削減、外注業者への注文が不要となり 成型品を短期間に作成できる画期的な加工システムだ。これにより、リードタイムの大幅な短縮が実現し、切削加工することによりデザイナーのイメージを再現しやすく、同じヘアライン模様のついた金型を作成できる。