働く女性が直面すること「ホテルにエロチャンネル」
女性活躍推進法では、従業員300人を超える企業・団体は、女性採用比率、女性管理職割合、男女勤続年数差異などの数値目標を設定し公表しなければならない――これは、ざっくりいうとアベノミクスの成長戦略の一つ、「女性が輝く日本」をスローガンに、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を引き上げましょう、というのが狙い。
数値目標を設定することは良いことだけど、数値ばかりにスポットを当てた取り組みを義務づけることにならないか、はたまた女性を悪用したPRがまかり通って本質を見失うことになりはしないのか、と懸念を抱いちゃうのが正直なところ。こんな立派な法案がありながら、どういうわけか小さな現実はこうだ―――。
ホテルのTV横にあられもない姿の女性達が並ぶ刺激的なエロチャンネル表。
どうぞお好きなものを選んでちょうだいな、とばかりにチェーン店の居酒屋メニューのように堂々と置かれている。
こういう破廉恥なことがまかり通っていることから、女性の働きやすい環境づくりに社会風土がついて行っていないのがまるっと丸分かりなのよっ!
ビジネスでホテルに泊まるのは男性ばかりじゃないわけ。こんなもん、働く女性が泊まるホテルに置かれたって嫌悪感しか出てこない。こういうことを恥ずかしいと思わない風土はいかがなものか。小学生でも立ち寄ることが出来るコンビニにはエッチな本が置かれ、電車の中吊りには面積の少ない水着を着用した少女の姿。やっぱりどこかおかしい。
こうした公共の場所ですらこうだもの。日本女性の社会進出は欧米に比べて大きく遅れているのも分かるわよ。世界経済フォーラムがまとめた14年度の男女平均指標ランキングでは、142カ国中、日本は104位だったものね。1986年に男女雇用機会均等法、99年には男女共同参画社会基本法を施行し、担当大臣まで付けて推進していたのにトホホだわよ。あれから時は流れているというのに、こうした社会風土はちっとも変わっていない。
数値目標もいいけれど、現実問題として、まず社会の風土をなんとかしなければならないと思うのよね。
ところで、別の議論になっちゃうけれど、大阪堺市はコンビニのエロ本に目隠しをするというニュースを拝見したけど、目隠ししてまで売るってのはさ、みみっちい。だったら売らなきゃいいのに、と思うのよ。売っておきながら、内容を確認できなくするのも、どーしたもんかねぇ、と思う。
今はネットもあるし、大人が買えるところはいっぱいあるわけ。足を運んで、こそこそと本屋のアダルトコーナーでチョイスしたっていいじゃん。
というわけで、エロいことの否定はしないけれど、せめて引き出しの中にあるとか、奥ゆかしさが欲しいわ。こうした男性目線のエロさが社会に溶け込み、当然のように蔓延っていることに、疑問を感じる今日この頃でした。