「同時5軸NC切削加工シミュレーション」を発売 森精機
森精機製作所が、パソコン上で同時5軸加工をシミュレーションできるソフトウェア、「同時5軸NC切削加工シミュレーション」を開発した。このソフトウェアは同社の5軸制御立形マシニングセンタ、NMVシリーズ専用の切削加工シミュレーションソフト。
このソフトウェアは、同社の機械のオペレーティングシステムMAPPSに標準搭載の対話機能や、パソコン上の対話機能MORI-APから出力されたNCプログラムのシミュレーションが可能。さらに様々なCAMシステムから出力されたNCプログラムや、手入力されたNCプログラムの確認にも利用できる。また、機械搭載型の一般的な干渉チェック機能では不可能だった、素材が削り取られていく様子も確認可能である。機械を作動させないオフラインの状態で、セットアップから干渉・動作の確認まで、一連の加工シミュレーションができる。同時5軸NC切削加工シミュレーションにより、パソコン上で複雑な5軸加工用のNCプログラムを事前に検証し、プログラムを最適化することで生産効率が向上する。
面倒なセットアップを簡略化して、段取り時間を短縮
ソフトウェアには、あらかじめ森精機が用意した正確な機械モデルが登録されており、使用前のモデル作成やセットアップなど面倒な設定を省くことができる。正確な機械パラメータも登録されているため、タイムスタディにおいても正確な結果が得られる。今回、複雑になりがちな工具登録も設定画面をシンプルにし、工具モデルの作成を簡単にした。またNMVシリーズに標準搭載のMAPPS対話機能やESPRIT(CAMソフトウェア)に登録された工具データを読み込んでそのまま使用することもできる。三次元CAD上で作成したワーク素材や治具のデータについても、STLなどのファイルフォーマットを変更せずにそのまま取り込むことができ、設定を簡略化する。
シンプルな画面設計で操作性を向上
ソフトウェアの画面は顧客にその機能を最大限活用できるよう、シンプルな設計となっている。パソコン画面上に表示される操作パネルは実機と同じデザインのため、オペレーターは実機の使用前にパソコン上で機械操作のトレーニングをすることができる。またシミュレーション画面は2分割表示することも可能で、別々の視点から加工シミュレーションを確認できる。機内の加工シミュレーション映像とワークの素材除去シミュレーション映像を同時に表示することにより、確実な確認作業が可能だ。なお、 工具オフセットについても操作性を向上しました。ソフトウェア上にデータとして登録されている工具の長さや径の値を用いての検証はもちろん、工具オフセット登録画面に入力された値を使うこともでき、柔軟な操作性を実現しています。
定価は159万円。