ヤマザキマザックが「MAZAK QUICK TURNフェア」を開催 ~IoTに対応した高生産機能を身にまとい、高効率化を推進~

 ヤマザキマザックが、4月8日(金)~9日(土)の2日間、ワールドテクノロジーセンタ・美濃加茂第二製作所・全国テクノロジーセンタ 4か所・テクニカルセンタ 6ヶ所において「MAZAK QUICK TURN フェア」を開催した。

 「QUICK TURN 」は、マザックの代名詞ともいうべきベストセラー機。QUICK TURNシリーズは1981年に世界初の対話式CNC装置「MAZATROL T1」を搭載して発売し、現在までに世界累計販売台数約9万台を記録。業界トップクラスのベストセラー機となっている。この「QUICK TURN」が、このほど最新のCNC装置「MAZATROL Smoothシリーズ」を搭載してIoTに対応した高生産機能を身に纏い、製造現場に新たな高効率化を構築できる機械となって披露された。35年にわたりQUICK TURNとMAZATROL CNCは共に進化している。

プライベートショーかけた思いを説明する中西常務
プライベートショーかけた思いを説明する中西常務
 中西正純常務は、今回のプライベートショーについて、「汎用CNC旋盤QUICK TURN を新たに一新して、基幹産業を支えるお客様に活用していただけるよう工夫した。今回は日本の根幹を支える町工場のお客様が半数以上を占める商品。お客様の用途に合わせた仕様が選択できるようにしている。もうひとつ、QUICK TURN-COMPACTシリーズは、コンパクトでも生産に寄与できるようにした。ミーリング機能付きを主体にデビューさせている。派手さはないが、本当の意味で製造業を支える半数以上の客様が採用していただけるような製品です」と思いを述べた。

 また、「歴史を感じて頂きたくて、35年ほど前に開発した」としている、QUICK TURNに世界初の対話型CNCのMAZATROL T1を搭載した記念すべきQUICK TURNも展示していた。

MAZATROLとQUICK TURNは共に進化

初代MAZATROL T1を搭載したQUICK TURNも展示。
初代MAZATROL T1を搭載したQUICK TURNも展示。
 1980年初期の製造現場で主流の設備というと、汎用旋盤、フライス盤、ボール盤など。NC工作機械への更新が積極的に行われ始めていたのもこの頃だったが、EIA/ISOコードによるプログラミングの難しさ、段取りの煩雑さもあって導入が遅れていたのが現状だった。

 さらにEIAA/ISOプログラムはプログラム作成および、加工までのリードタイムが長く、一方で、選任のオペレータ不足の課題があった。固定サイクル、Gコードなど専門知識が必要でプログラミングが難しかった。これらの問題を一気に解決したのが、世界初の対話方式によるプログラミングが可能な「MAZATROL」だった。マザトロールプラグラムとEIA/ISOプログラム行数を比較すると、EIA/ISOの行数は115行。一方のMAZATROLプログラムは行数20行と約83%も減少している。

さて、新しくなったQUICK TURNの特長だが、回転工具刃物台にはビルトインモータ駆動の回転工具主軸(Smooth Mill Drive)を搭載している。振動を抑えた高精度なミル加工を実現、刃物台内部では発熱による精度変化のないよう冷却対策も万全だ。

 熱変位補正が可能なサーマルシールド・プラスも標準装備されている。これにより、①加工精度に最も有効な熱変位制御機能を強化、安定した加工精度を維持する、②工場環境温度・各軸熱変位補正量・機械温度を見える化し、製造現場の環境に最適な設定が可能になった。

●QT-COMPACTシリーズ

 コストパフォーマンスを追究した複合旋盤のエントリーモデル QT-コンパクトシリーズが誕生したが、このマシンのメリットは“お求めやすい価格でワンランク上の加工を提供する”ということ。新NC「MAZATROL SMOOTH C」を搭載し、インテリジェント機能や工場環境に合わせた熱変位補正が可能なサーマルシールド・プラスももちろん標準装備。また、ビルトイン主軸の採用と全軸ローラーガイドを採用で高精度・高剛性な加工を実現したマシンだ。

 気になる加工能力だが、QT-COMPACT200、300は、切りこみが2~3mmの鍛造品や鋳造品の量産加工に最適で、①中炭素鋼をベースとした鋳鋼、②比較的削りやすいSCM系の鍛造品、③FCまたはFCDの鋳物(難削材のFCD600以上を除く)、④AL鋳物に威力を発揮する。

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